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2006年01月14日

グールドのブラームス:4つのバラード、2つのラプソディ、間奏曲集

 amazon洋書が安くなると円高なのかなと思うほど社会情勢には疎い。どの本も安くなるわけではないのはどういうシステムなのだろう。
 昨日のETV「真剣10代しゃべり場」はおもしろかった。アニメオタクの19歳が、普通じゃないと言われるのがいやだと不満をぶちまけていた。結局、自 分が世間的に普通じゃないコンプレックスを開き直れないだけだとやりこめられていたが、最近のオタクにも、うちの親父(高等小学校卒学歴のせいで「人並 み」コンプレックス)みたいなのがいるのが意外だった。

 すべての人が己の嗜好に忠実になれば、趣味の比率はどうなるのか、ブームが起きなくて経済的に困るか等想像も付かない。見守っていた岡田斗司夫の「な ぜ世の中の非主流であるだけで辛い思いをしなけりゃならないのか」というフォローには、今さらながら考えさせられる。
 私など、性自認や性嗜好(絶対的非主流)、好きな仕事を必要なだけしかやらない(主流になりつつある?)、クラシック音楽やチェスという趣味(少数派か つ伝統的で敬遠される)、レジャーの主流カラオケやボウリングにしてもアプローチはマニアックであり、とっくの昔から開き直ってなきゃやってられない (笑。

 私の仕事のフィメールマスク(製作)は、ラバリスト等のフェチストから見れば異端だし(勝手に範疇に入れられるからだが)、コスプレの中では、顔を隠す 点で人型着ぐるみと同じくまだまだ認知度が低い。メディアの扱い方のせいもあるが、アニメ、ゲーム、鉄道オタクなんて私から見たら「恥ずかしいほど」メ ジャーだ。


 スターデジオ、445ch歌劇は、先週がマリナー指揮等の「魔笛」、今 回はアバド指揮等の「ドン・ジョヴァンニ」とモーツァルトが続いた。オペラ音痴の私もこのへんは何度も聴いていると徐々にポイントもつかめてきた。余り時 間に有名なアリアだけ他の演奏でかけてくれるから、それで再確認もできる。
 442chケント・ナガノ(指揮)特集は、ブルックナー3とストラヴィンスキー「火の鳥」、どちらもオリジナルだ。ブルックナーは4の原典版ほどで ないにせよ、かなり違っている。フィナーレ前の弦の上行16分音形がトランス風に際立つおもしろさだ。残念ながら終わり方があっけない(笑。

 441chグレン・グールド特集の2回目はバッハ以外。グールドはバッハとそれ以外で比較されることが多い。それほどバッハの比重が高いのだが、他もも ちろんすばらしい。モーツァルト ソナタ6、ベートーヴェン ソナタ15、ブラームス小品集、シベリウス、ヒンデミット、シェーンベルク、スクリャービン。
 全部すでに聴いたことがあったが、ブラームスのラプソディーやシェーンベルクの作品25などは改めて名演だと感じた。有名な曲ほどへんてこりんに弾き、 無名な曲 ほどその価値をくつがえすほどの名演をするのがグールドの真骨頂である。

 まずはモーツァルトやベートーヴェンでグールドの独創性を楽しみ、シェーンベルクなどは最後に聴くことをお薦めする。一般に冷たい理論だけの音楽と思わ れているシェーンベルクが、グールドで聴くと「 熱い」のだ。
 モーツァルトのソナタも推薦したいが、今回はグールドが死を目前にしておそらくは何のてらいもなく慈しむように弾いたブラームス。人は何を考えどう生き ればこれほどの音楽の高みに上り詰められるのだろうか。これも出たばっかりの頃、間奏曲なしの40分ほどなのに3800円で買ったんだよなあ(汗。
ブラームス:4つのバラード、2つのラプソディ、間奏曲集
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starやっぱり凄い演奏家だったんだ
star秋に「草枕」を読みながら聞くグ−ルド。
starグールド演奏で3指に入る名演

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2006年01月08日

グールドのバッハ『ゴールドベルク変奏曲'81』

 一昨日のテレ朝「報道ステーション」でもやっていたが、今年も大晦日に岩城宏之がベートーヴェン交響曲全曲演奏をした。「報道〜」では前人未踏と岩城の 満身創痍を強調したいせいか、前年もやったことと来年(今年)もやるという予定に全然触れなかった。
 私はスカイAの完全中継を前年見て感激し、またあるなら行こうと思ったのだが(チケットは意外と安い)、ほんとにまたやっているとは全然思ってなくて今 回は2番 の途中からしか見られなかった(汗。三枝成章とのトークも去年よりおもしろく、第九は嫌いという岩城の爆弾発言も飛び出して最高だった。

 特に、いろいろある譜面の版別に演奏したCDを実際に聞き比べるのが興味深く、よく言われる「当時の金管楽器にバルブが付いていれば…」に対して「歯抜 けの金管フレーズの現代音楽風解釈」まで飛び出した。テンポに関してもあのシェルヘンの超スピード盤が、ある解釈の版に基づいていることが分かった。
 今年の年末こそは行きたいけど、終わる頃には終電がなくて帰れないのが困る。元日にかけては電車動いてるんだっけ? それともそのままどこかへお泊まり か(お。とにかく、ベートーヴェンと心中なら本望と言う指揮者バカ岩城宏之最高!


 今週のスターデジオは、442chのウィンナ・ワルツとか時節柄の特集 もあったが、一通り聴いてからは2つのチャンネルばかりに合わせていた。まずは438chの新譜、メンデルスゾーンの「讃歌」。上記の番組でマーラーの交 響曲をオラトリオと三枝が評すなら、この交響曲第2番こそそうだろう。
 こういうC調な曲には向いているカラヤン(いかんせん録音が悪い)で聴いて以来、私の中ではメンデルスゾーンのトップに躍り出たのだが、今回シャイー指 揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス(メンデルスゾーンも常任指揮者だった)の原典版の短い締まった演奏でさらにはまってしまった。
 「スコットランド」の透徹さや「イタリア」の快活さ、「真夏の夜の夢」のファンタジーから「無言歌」のナイーブさまでオムニバスのように詰まっていると 言えば言い過ぎだろうか。ある意味モーツァルトより近づきがたいとメンデルスゾーンを感じている人には激お薦めだ。

 新譜chは他も豊作だったがこれぐらいにして、441chの厳格な指揮者として知られるフリッツ・ライナー特集。シカゴ響とでチャイコ「悲愴」、シュト ラウス「ツァラ」、バルトーク「管弦楽のための協奏曲」。前2つはよく聴いた演奏。「ツァラ」は有名な出だしがそっけないから一般受けはしなさそう。
 たまたまCSで久しぶりに「2001年宇宙の旅」も見たが、使われている演奏はエンドロールにも出ないしオリジナルらしい。あれほどスローなのはあまり 聴いたことがない。バルトークのこの曲は嫌いだったが、この演奏でかなり細部が見えてきた。コープランドに通じるジャズっぽい要素がけっこうある。

 以上だけでも満腹の今週だったが、グレン・グールド(ピアノ)特集もあった。今回はついにバッハ「ゴールドベルク変奏曲」の'81年新録音が登場で、イ タリア協奏曲、フランス組曲5、イギリス組曲1、トッカータ ハ短調など、スタレオ録音の名演ぞろいだった。
 新年最初なのはいいが、やっとグールド登場とは遅すぎた。とにかく、CD→MD光録音できるCDプレーヤーがなくなったから、MDに録音できたのがうれ しい(汗。もう20年以上私にとってのベストCDで、死ぬ50分前から聴き始めて最後のアリアを聴きながら昇天したいくらいの演奏である。
 だいぶ前だが、『レコード芸術』誌上で、評論家による500年後にまだ生き残っているCDランキングがあって、これはたしか4位だったと思う。ボイ ジャーに乗って太陽系圏外へも旅立った。ちなみに『羊たちの沈黙』で監房のレクター博士はグールドの「ゴールドベルク変奏曲」を所望するが、映画で使われ ている演奏はグールドではないからだまされないように(笑。

 私は最初の版のCDを3800円で買ったんだよなあ…。
バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音)
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2005年12月30日

ラトル指揮ウィーン・フィルのベートーヴェン「第九」

 近所のスーパーが4日まで休みになるので1週間分の食材を買い込んできた。1階の気ぜわしい奴も帰省したようだし、これで4日まで外に出なくて済む。お せちも初詣も関係ない私にとって、こういう時期は不便なだけなのだ。
 昨日から東京ビックサイトでコミックマーケットをやっているようだ。私も昔はコスプレのためだけにあの芋洗いのような雑踏の中参加した。年に数日だけの 販売で生活費を稼げる連中はうらやましいが、自分がオタクじゃないからそういう層に受ける物が作れない。チェスで参加したサークルって過去にあるのだろう か。


 スターデジオ、440chリチャード・ストルツマン(クラリネット)が よかったので、モーツァルト、コープランド、ニールセンの協奏曲をMDに詰め合わせた。奏者にこだわりがあるほど聴かない楽器だからマイヤーやライスター くらいしか今までソリストに興味はなかった。コープランドの協奏曲は以前から好きだが、これは指揮がマイケル・ティルソン・トーマスだから特にいい。
 ハーゲン弦楽四重奏団もいいが、ベートーヴェンの「セリオーソ」や「大フーガ」など、テクが冴えすぎて怖いくらいの感じがする。ヴェルディの弦楽四重奏 曲はオペラからは想像できないくらいオーソドックスな曲だと初めて知った。オペラが変というわけではないが意外だ。

 442ch、リッカルド・ムーティ(指揮)は、何度も聴いたウィーン・フィルとのモーツァルト「ジュピター」以外に、ショスタコの5番が意外によかっ た。やたら終楽章でアッチェレする演奏には辟易してきたから、このくらいのどかな方が私はいい。でも、タコは7,8,10あたりがいちばん好きだなあ。

 年末恒例のベートーヴェンの交響曲特集。アバド指揮ベルリンの「英雄」は締まった快速演奏で予想以上にいい。「第九」はラトル指揮ウィーン・フィ ルで、これはノリントンと並んで「第九」の21世紀演奏の最高峰と思っている。基本的な表現は中庸だから誰にもお勧めできるが、細かいところでかなり癖が ある。
 フルトヴェングラーとちょっと異質のテンポの揺らしがスパイシーで、合唱は子音の強調や不意のスフォルツァンドが刺激的。フィナーレ前からのピッコロソ ロがこ れまた強烈と、マニアの聴き所もしっかり押さえてある。爆演奇演の「第九」は数あれど、これのように名演と両立したケースは希有と言えよう。
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
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star全く新しいベートーヴェン
star第1楽章で引き込まれ、第3楽章で陶然とした。
star面白さは抜群です

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2005年12月23日

野平一郎のバッハ『ゴールドベルク変奏曲』

 昨日のNHK夕方ニュースで「”カタカナ語”を見直せ」を見た。杉並区の広報が、読みにくいという老人からの苦情をきっかけに作成した「カタカナ語→ 言い換え語」辞典が、一般にも好評らしい。そもそもは漢熟語の硬さを緩和するために多用されたカタカナ語が、皮肉にもこういう結果を生み出したという。
 外来語と呼ばれた頃から辞書を愛用したが、カタカナ語と言わねばならないほど、どうでもいい和製語が無理やり作り出されてきている。ファッション業 界などはある程度仕方ないにしても、知らないと一見して意味が分からないカタカナ語が格好いいと思う外国語コンプレックスの悪用は、もういい加減にしてく れ。


 サンデー・スターデジオを前倒しにする。今週はやはりクリスマ ス関連が多く、まんまとはめられてしまった。440ch、ファジル・サイ(ピアノ)は「春の祭典」や「トルコ行進曲付」などすでに聴いたのが多 かった。この人は作曲に時間を取られているせいか、難曲を弾くわりにはトリル等のテクが甘い気がする。
 ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)は、近代やクロスオーバーものにレパートリーが移行した感じだ。フィリップ・グラスやピアソラのように聴くとすぐ作 曲家が分かる曲は楽しいが、後はよく分からない(汗。

 442ch、マイケル・ティルソン・トーマス(指揮)のマーラー「復活」は、80分MDに収まらないのを分けて録るほどでもないという感じ。マーラー党 にしては珍しくこの曲あまり好きでないからか、サンフランシスコ響だからか。チャイコのバレエ曲特集では、「くるみ割り人形」全曲があったが、映像なしで 全曲版聴いてもなあという感じ。
 444ch、バロック・古楽は、「聖夜のためのバロック」、コレッリの「クリスマス協奏曲」を聴くたび中学の頃を思い出す。そして何と言っても 445ch、バッハの「クリスマス・オラトリオ」がよかった。「マタイ受難曲」などはまださわりだけで満腹だが、これはロ短調ミサとかと同じくノリがいい から録音した。

 しかし、推薦盤は、438ch新譜の野平一郎、バッハ「ゴールドベルク変奏曲」。野平は最も好きな日本人ピアニストだ。この曲は最近弾き始めたらしく、 グールドの新録と同じ版の楽譜を使っ ているようで演奏も似ているから、グールド盤を参考にしたんじゃないかなあ。
バッハ:ゴールドベルク変奏曲
B000AU1KNG 野平一郎 ヨハン・セバスティアン・バッハ

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2005年12月18日

ビオンディのヴィヴァルディ『四季』

 引っ越し直後の1月以来、朝一にPCを立ち上げたときにネット接続できなくなった。モデムやPCの再起動でたいてい直るが、原因は何だろう。共通する のは室温くらいしかない。季節的に妨害電波が多くなるのだろうか。


 今週のスターデジオ、「目玉」はなかったがいろいろな意味で楽しめた。 440chエフゲニー・キーシン(ピアノ)特集、ショパンの「葬送」 等は、ホロヴィッツと比べると(酷)まだまだお坊ちゃんでだめだが、ベートーヴェンの協奏曲2番はよかった。若いときからこれを十八番にしていたグール ドの軽やかさと重なって聞こえた。
 同じく諏訪内晶子(ヴァイオリン)特集と441chミッシャ・エルマン(ヴァイオリン)特集、さらに442chロシアのヴァイオリ ン協奏曲特集で偶然チャイコの協奏曲が3つ重なった。安心して聴けるのは最後の特集のギ ル・シャハムだが、エルマンの演奏が、この曲では私のベスト、ジノ・フランチェスカッティの華麗さを彷彿させてよかった。ジノのLPは 実家に眠っている。久々に聴きたい。

 441chはラファエル・クーベリック(指揮)特集の2回目もあ り、ベートーヴェン8番はクリーブランド管弦との熱演、シューマン2番はベルリン・フィルにしては今一、バイエルン放送響とのモーツァルトのセレナード 「ハフナー」は曲自体久々に聴いた。
 444chファビオ・ビオンディ(ヴァイオリン、指揮)特集は、主 にヴィヴァルディで、「四季」はあのアルノンクールの衝撃演奏以来みんなこんな風になったなあと、イ・ムジチのアーヨかミケルッチかで初めて聴いた世代と しては感慨深い。リズムのおもしろさはアルノンクール以上だろう。私的には、たまに聴くからおもしろいのだと思うが。

 リンクは「四季」を貼っておくが、いちばんよかったのは418chの松田聖子Seiko X'mas Showかもしれない。クリスマスソングだけで1時間を優に埋めるラインナップがある。あまり知られてないだろうがLast Christmasのカバー等も絶品で、この「季節」に合う声質を再認識させられる。
 クリスマスソング縛りの独りカラオケをしたくなってきた(汗。
ヴィヴァルディ:四季
B00008KL34 ビオンディ(ファビオ) エウローパ・ガランテ ヴィヴァルディ

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2005年12月11日

ブリス『チェックメイト』〜マーツァルのマーラー交響曲第3番

 「週刊スターデジオ」レギュラー号だが、今週は豊作だった。主に438ch新譜chなのだが、ブリスの「チェックメイト」というバ レエ音楽があったので、チェスファンのために紹介しておく(笑。現代風だがにぎやかな曲なので難解ではなさそうだ。なぜかamazonにはないが、吹奏楽 レパートリーとしても有名らしい。

 同じchで何度も聴いたのがズデニェク・マーツァル指揮チェコ・フィルのマーラー3番。5番に続く第2弾は、期待以上のすばらしいものだった。24分も 粘ってくれた終楽章も申し分なし(そのわりに全部で96分は意外に短い)。今までベストと考えていたケント・ナガノ盤を抜いたかなあという感じ。
 続いてアバド指揮ベルリン・フィルの4番もあって、これもけっこうよかったのにかすんでし まっ た。後は442chのR.シュトラウス特集で「メタモルフォーゼン−23の独奏弦楽器奏者のための習作」、チョン・ミュンフン特集ではお得意のベルリオー ズ「幻想」といったところか。

 444chはピアノで聴くバッハ特集なのにグールドがないやんけ。しかし、聴いてみると19世紀を引きずったロマンティック演奏が多く、グールドが入っ てないのは正解と思った。特にアンジェラ・ヒューイットのトッカータなどは何度聴いても肌に合わない。
 441chでは、先日7番がよかったドヴォルジャークの8番をクーベリックで聴いたが、'66年にしては録音が悪すぎてがっかり。445chグノー の歌劇「ファウスト」は意外と知ってる部分が多くて楽しめた。
マーラー:交響曲第3番
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2005年12月09日

本田美奈子『LIFE〜本田美奈子プレミアムベスト〜』

 昨日のテレビ東京「TVチャンピオン」コスプレ王選手権で決勝の5人に「黒」一点で残った、女装コスプレ界で有名ならいむさんは、知り合いなので大笑い してしまった。全員が女性なら司会者の突っ込みどころもないだろうからその時点でやらせくさいが、バラエティ番組にはよくあることだ。
 負けて元々のらいむ氏を応援しながらも、女性レイヤーも単なるきれいな姉ちゃんではなく、衣装やアイテムを自作する(そうでなければ競技にならないし、 いいかげんそうなテレビ局もマニア性の判断基準をここに置いているようだ)点で好感を持てたし、そうでなければ見る気もしなかっただろう。



 今日は「週刊スターデジオ」の号外として本田美奈子に触れよう。一昨日 の 「FNS音楽祭」では、歴代新人賞VTRで'84年の岡田有希子に続いて'85年の彼女が流れると重い気分にさせられた。過去映像がないと視聴率がずいぶ ん違うんだろうという番組内容でもあった。
 それはともかく、美奈子のCDは2枚持っている。一つは、'90年に出た『ベストナウ』で、アイドル時代の主要18曲をカラオケ用チェックに重宝した。 もう一つは、'94年に出た『Junction』というアルバムで、これは聴くことをメインに購入した(といっても中古の500円)。

 『Junction』は、名の通りジャンルがバラバラの11曲を集めたもので、グレゴリア聖歌「祈り」で始まり、「ミス・サイゴン」の「命をあげよう」 もあるし、それを作詞した岩谷時子がプロデュースの関係で「愛の讃歌」等のカバーも入っている。
 「ミス・サイゴン」がなかったら長山洋子のように演歌転向していたかもしれないゆえに、幻の演歌と言えるのが「風流風鈴初恋譚」。「命をあげよう」は死 後にテレビでたびたびさわりが流れたが、何といってもファンの間で根強い人気の「つばさ」が私も大好きだし、これが入っていたからこそ買ったのだ。

 リフレイン前の30秒にも及ぶロングトーンをテレビで初めて見たときは、ほんとにブレス入れてないんだと仰天したものだが、そのときは終わる寸前に声が 一瞬途切れて悔しい顔をしたのを覚えている。その後「題名のない音楽会」で見たときは完璧で、満面の笑顔を見せてくれた。
 さらに、CDも小細工などできないオケと一緒の一発録りだったと聞くと言葉も出ない。「ら・ら・ば・い〜優しく抱かせて〜」もカラオケでよく歌った思い 出深い曲だ。これは後奏でBフラットまで上昇するファルセットが超難関である。

 最近ミュージカルやアニメの主題歌で彼女のことを初めて知った人も多いと思うが、昔の曲を聴けば、最近の比較的低音域でも優しいファルセットを多用する 歌唱が、そういう紆余曲折の成果であることが読み取れる。
 私もスターデジオ418chで1時間特集を聴いて改めてそれを感じた。『Junction』はもう廃盤だから、選曲の近い『LIFE』をお薦めしてお く。『アメイジング・グレイス』はまだ全部聴いていない。「題名のない音楽会」の録画テープを消してしまったのと、黛敏郎の毒がなくなってから見ていな かったのが悔やまれる。
LIFE~本田美奈子プレミアムベスト~(通常盤)
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2005年12月04日

パンドルフォのバッハ『無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバ組曲』

 フェードアウトが多いからお薦めできないと以前書いたが、有名なクラシックのさわりを集めた「ベスト・クラシック」が相変わらず売れている。購買層の声 が興味深い。「興味はあったが、作曲家や演奏家で整然と並んでいるだけでは、何を買ったらいいのか分からなかった」というのだ。
 先日柏へ行ったときにHMVへ寄った。久しぶりにでかいCD屋に入ったのだが、クラシック売り場は、J-Classicの美女コーナーはもちろんのこ と、けっこう目を引くポップがあちこちに見られた。しかし、マニア向けなのは否めない。ミトロプーロスのマーラー交響曲集だって! そんなのあったのか。 欲しい〜。安いんだからそのくらい気兼ねなく買える生活にならねば(汗。


 今週のスターデジオは私的には「外れ」だった。440ch演奏家特集マ リア・ジョアン・ピリス(ピアノ)は、何でもきれいに弾くサロン風ピアニストという感じで迫ってくるものがない。五嶋みどり(ヴァイオリン)もブルッフと かは曲がいいから誰でもいいという感じなのかも。
 441ch名録音盤、トマス・ビーチャム(指揮)はついこの間もあった。金持ちでロイヤル・フィル創設者という以外にこれほど取り上げる理由が分からな い。ご当地物のディーリアスを聴けたのはよかったが。リリー・クラウス(ピアノ)は、以前も書いたように意外と骨太のモーツァルトだが粒がきれい。古めの 録音が多かったから今一つ。

 後は内容だけ記すと、442chドビュッシーの管弦楽特集(甘〜い!)、ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮)(曲目のせいか感じるものなし)、 443chラヴェルのピアノ曲特集(「クープランの墓」のピアノ版はいいかも)、445chマスネ歌劇「タイース」(瞑想曲しか分かりましぇん)、 438ch新譜(ずいぶん小編成の「第九」があった)。
 強いて言うと、444chバロック・古楽で珍しく拾いものがあった。パオロ・パンドルフォ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)によるバッハの無伴奏チェロ組曲の1 と6。演奏が難しくてビブラートはかけにくいから、チェロに比べて割に合わなそうだが、チェロの古楽器でやってるのかなという程度に自然に聴けた。amazonにはなし。
posted by 水野優 at 12:37| Comment(3) | Classical Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月27日

ジュリアードSQのドヴォルジャーク『アメリカ』

 私がいちばんamazonで見ているのはチェスではなく英語関連の書籍だが、一般カスタマーのレビューに対する「このレビューが参考になった?  はい いいえ」の評価が必ずしもレビューの内容に見合っていないことが気になる。あまりに短いものや場違いなものは除外してもである。
 おおむね辛口なものは、どんなに書き手の専門性や知識がくみ取れても評価が低い。「私はTOEIC930ですが」という前置きでもあればなおさらだ。 やっかみ半分の場合もあるだろうが、買ってもいい安心感を得るためだけに見る人が水を差されるからとも思えてくる。ほんとうは辛口こそ必要なの に。
 というわけで、『チェスの花火』ブラックオックスさんの☆1つレビューには「はい」、『チェス思考に学べ!―チェスの十五大原則に学ぶビジネスと人生の 戦略』の☆5つレビューには「いいえ」を押した(笑。以前「はい」を押しておいたha4shu2さんのレビューがなぜか消えている。


 スターデジオ、440chゲリー・カー(コントラバス)特集では、20年くらい前にNHK「音楽の広場」で見て以来かもしれないカーを聴いた。テレビの スタジオライブでは、これほどの名手でもソロだと音痴と思ったが、レコードではほぼ問題なく聴ける。他楽器用名曲のトランスポーズが多くて楽しめた。
 同chマウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)特集は、ブラームス協奏曲2、ベートーヴェン29ソナタなど。最近のベートーヴェンのソナタ録音では期待はずれ だったが、この'77年録音29「ハンマークラヴィーア」はスケール感があってよかった。

 442chマリス・ヤンソンス特集はショスタコ5、ブラームス1など。最近つまらなくなったという声を聞くマリスだが、ウィーン・フィルを振ったタコ5 はフィナーレの緊張感も乏しい凡演。オスロ・フィルを振ったブラ1の方がずっとよかった。いずれにしても好みの曲ではないのだが。
 同chチェロ協奏曲特集は、マのドヴォルジャーク、ノラスのサン=サーンス1、シュタルケルのウォルトン、モルクのエルガーだった。あまり好きではない マが意外によかったが、ノラスとモルクは初聴でよく分からず。シュタルケルは昔サントリーのCMで格好良かったのに、実際の演奏はこぢんまりした感じがす る。

 今回の私的目玉は、443chチェコの室内楽特集。小品を除くと、ドヴォルジャーク「アメリカ」、スメタナ「わが生涯より」、ヤナーチェク「クロイツェ ル・ソナタ」の実質弦楽四重奏特集。「アメリカ」は'67年のジュリアードSQで、これは番組表を見る前に分かったほど思い出の演奏だった。
 小6〜高3までの友人に何度も聴かされたもので、カップリングは当然「わが生涯より」。これは放送ではスメタナSQだったが、彼はどっちの演奏もこのカップリン グLPを持っていたから、この'76年の演奏もジュリアードほどではないが覚えている。

 ベートーヴェンほど有名ではないが、チェコ音楽の祖と言われるスメタナは晩年に聴力を失った。その後の生涯は精神病院に入るなど悲惨で、この曲には当時 聞こえ始めた耳鳴りを象徴する高いヴァイオリン音が唐突に出てくる。「わが生涯より」というより「わが障害より」?(ネタにしてどうする(汗。
 弦楽四重奏曲は最近よく聴くようになったが、他には意外に分かりやすいアイヴズやバーバー、フィリップ・グラス等の近〜現代物が好きだ。例のヘッドホン は改造して も耳の痛さは完全になくならないが、これで聴いていなければ今回はこれほど思い出に浸れなかったかもしれない。

 リンクはまたドヴォルジャーク。左右のセパレーションが明確で、なぜかヴァイオリンが右から聞こえる。ご当地演奏好きには向かないだろうが、イントロ最 後でチェロがはじけてからはノリノリの疾走感。SL好きの鉄道オタクだった作曲者本人が聴いても喜びそうだ。
ドヴォルザーク:アメリカ
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2005年11月20日

コードレスヘッドホン〜ショルティ指揮シカゴ響の『新世界』

 騒音の遮音を兼ねてヘッドホンを使えないかとかねがね思ってきた。リアルタイム逆位相の音をぶつけて無音状態を作る仕組みのものも手頃な価格にはなって きたが、電車の中のような恒常的騒音には強くても、突発的な音にはまだまだらしい。高速道路の騒音防止等にも使われ出しているから将来的には楽しみだ。
 なので、新たに買うならコードレスをと思っている。ビクターの新製品は、本体の電池の充電も送信機の上に置くだけでいいから使いやすそうだ。騒音に弱い 木造の家の欠点がが無線には有利という点で生かせる。掃除機をかけながらでも音楽を聴ける便利さを重視して音質には目をつぶろう。
 もちろん主に聴くのは音楽だが、たいてい同時にテレビも見ている。それは多少テレビのボリュームを調節すれば済むことだろう。テレビにも送信機があれ ば同時にヘッドホンで聴けるが、ヘッドホンの予備機はあっても送信機の予備は売ってないだろう。そんなことは普通考えないよなあ(汗。
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 スターデジオ、440chは鈴木秀美の指揮とチェロ。この人は指揮だけで十分と思う。ハイドンの2曲の協奏曲など、ボウイングのレベルで聴く気になれな い。444chの寺神戸亮(ヴァイオリン)はよかった。バロックものが多いが、日本人ヴァイオリニストではいちばん好きかも。
 今回はとにかく442chのドヴォルジャーク交響曲特集が目玉だった。マーツァル指揮チェコ・フィルのジムロック版3番はすでに録っていたが、クーベ リック指揮ベルリン・フィルの7番とショルティ指揮シカゴ響の9番「新世界」である。

 ドイツっぽいけどブラームスにはない土臭さがしっかり荒れ狂う7番は、ここ数年でお気に入りになってきた。元々クーベリックは好きだが、鋭さと粘りが絶 妙のバランスだ。ショルティの「新世界」は意外にも聴いたことなかったかもしれない。
 朝比奈隆に基礎から指導されたという'90年代の情けない頃とは違って、ショルティがしごいていた'80年代の世界ベスト3オケと言われたシカゴ響は やはりすごい。これに比べたら、マゼール指揮ウィーン・フィルの演奏なんて3,4楽章で金管がよたよたしていて、これもウィーン市民しかメンバーになれな いぬるま湯の中でレベル低下した時期なんだろうと想像する。

 ↓やっぱり紹介は画像のあるものにしなくては。
ドヴォルザーク : 交響曲 第9番 / シューベルト : 交響曲 第8番
B000091LAI ショルティ(サー・ゲオルグ) シカゴ交響楽団 ドヴォルザーク

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posted by 水野優 at 14:29| Comment(2) | Classical Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月10日

スターデジオ〜インバルのマーラー5番

 昨日の夕方のニュースで、新松戸駅からダイエーにかけての歩道並木にムクドリの大群が定住する被害を報告していた。うちから2km以内のことだが、ダイ エーにも行ったことがないので全然知らなかった。違法駐輪や駐車車両が糞まみれになっていてざまあみろという感じだ(笑。


 今週は早くもスターデジオ・レビューなのは帰省を控えているからである。最近は月・火の2日で23時間分の放送を全部聴いてしまって、その後週末までは その中でいいのを聴き直したり録音したり、それも尽きると過去に録音したMDを聴く。今週は帰省時のカラオケ準備をしているが。

 438ch新譜チャンネルは、コバケン指揮のチャイコ5番、ってこの前もやってたじゃんと思ったら、これはアーネム・フィル(知らねえ)を振ったもの。 この人スタジオ録音でもけっこううなり声が入るが、この録音ではほとんど聞こえない。そうなると不思議と寂しい(笑。
 後はインバル指揮都響のマーラー5番ライブ。定評あるインバルのマーラーだが、私的にはブルックナーの演奏の方が個性的でおもしろいと思う。終演後のブ ラボーの声はかなり多いので、とりあえずリンクを貼っておこう(汗。
マーラー:交響曲第5番
B000AQUMFC インバル(エリアフ) 東京都交響楽団 マーラー

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 440ch演奏家特集、ウィーンSQは、ベートーヴェン7,ハイドン「ひばり」、モーツァルト「狩」、シューベルト2&12と名曲揃いで文句なし、アナ トール・ウゴルスキ(ピアノ)は、ブラームスのソナタ3(交響曲みたい)、シューベルト「さすらい人幻想曲」、スクリャービンのソナタ3など。
 441ch名録音盤は、エーリヒ・(カルロスの父)・クライバー(指揮)で、モーツァルト「アイネ・クライネ〜」、「プラハ」、ベートーヴェン「英雄」 「運命」。BPO、VPO、ロイヤル・コンセルトヘボウとオケも豪華だが、'20〜'50年代の録音。そこまでして聴くこともないかなあという印象。

 442chシベリウスの管弦楽曲特集。交響詩や組曲のような構成の緩い曲になるとシベリウスはどうも魅力が薄い。シャルル・デュトワ(指揮)は「春の祭 典」以外にほとんどフランス物でそそられず。何を振ってもサロン風な感じがするようで好みじゃない。
 443chモーツァルトのピアノ・ソナタ特集はオムニバスだから通常取り上げないが、今回は様々なピアニストと録音時期、それに使っているピアノの違い が際立っておもしろかった。3ブレンデル、6ラローチャ、8ハイドシェック、11&ロンド ニ長調グルダ、14内田、15へブラー。特にグルダのピアノはハンマークラヴィアに近い気がする。
posted by 水野優 at 18:55| Comment(3) | Classical Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月06日

スターデジオ〜ブルネロのブラームス:チェロ・ソナタ

 最近は、女子高生のタリューム母親毒殺未遂事件で持ちきりだ。私の高校時代の旧友も、よく図書館や書店で化学の本を見て毒薬について調べていたのを思い だ した。HPでもリンクしているヤマモト君である。それと、少女(こんな高校生には似合わぬ形容だが)のバイブル『毒殺日記』の翻訳者に同情した。そういえ ば、私のいた翻訳会社も『死刑全書』やら『拷問全書』やらをコーディネートしていた。そんな本しか売れないのか…。

 TBS13時の昼ドラ『貞操問答』をちらっと見たら、BGMにクラシックの断片が節操なくかかっていた。一般にはそれほど有名ではないけどどこかで聞い たことがあってシーンに合っている選曲だと思う。かねがね、どうせクラシックのパクリの「オリジナル」サントラなど不要と思っているのでニヤリ とした。


 スターデジオ、440chの作曲家・演奏家特集が先に書いてしまうのが 惜しいくらいよかった。カルミナ四重奏団のハイドン「皇帝」、ブラームス2、ベートーヴェン9、メンデルスゾーン2。SQはどこがどうというほど演奏の好 みまで把握していないが、元オーストリア国歌だっけの「皇帝」2楽章には感激する。
 そして何と言ってもマリオ・ブルネロ(チェロ)だ。ハイドンの協奏曲1とブラームスのソナタ2が最高。調べてみるとブラームスのソナタ1をすでにMDに 入れていた。どうりでいいと思っていたわけだ。チェロは、上昇パッセージで人声でいうとファルセットになるような音色の変化に個人差が大きいと思うが、マ リオ はそこで細くなりすぎず、艶も失わない。ハイドンではリピートで装飾のおかずを多めに入れてくれるのもいい。

 441ch名録音盤は、ハンス・クナッパーツブッシュ(指揮)とナルシソ・イエペス(ギター)。クナは聞いたことあるのばっかりだったが、ブラームス3 のテンポの粘りは改めて尋常ではない。イエペスも代わり映えしない選曲だがギターの定番は限られるから仕方ないか。ソルの練習曲は自分でも弾いたことがあ るから懐かしい。
 あとは442chの大植英次(指揮)特集くらい。珍しくベートーヴェンの「エグモント」から抜粋などやっていたが、こういうクライマックスにかけて爆 発するのは合っている。佐渡裕に比べると今一つオケに恵まれてない気もする人だが。

 今もマリオを聴いている。ナイマンのトリスティング・フィールズなんて現代物もいい。もちろん音色だけでないたしかな表現と充実感がある。この人の日本 での評価が今一つというのは、どういうことなのだろう。
ブラームス:チェロソナタ集
B0000677SG ブルネロ(マリオ) ルッケジーニ(アンドレア) ブラームス

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star深い

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posted by 水野優 at 12:16| Comment(6) | Classical Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月30日

スターデジオ〜ポゴレリチのハイドン

 本業の方に力を入れるために、毎日更新はできなくなりそうだ。薄っぺらい更新で無理に続けても仕方ないので、減らすなら回数になるだろう。アソシエイト のためにも続けたい気持ちはあるが、その分いつでもやれる「ラスカー訳」に力をさいていきたい。


 今週のスターデジオ、440ch作曲家・演奏家特集、今井信子(ヴィオラ)、バッハ無 伴奏チェロ1番はオクターブ違いのヴァイオリンでやるのとは訳が違って運指が難しいのかなあと想像した。シューベルトアルペジョーネ・ソナタも元が何の楽器だったのが忘れてるほどいろいろにアレン ジされている曲だ。
 イーヴォ・ポゴレリチ(ピアノ)は、プロコフィエフリストショ パン、どれもすごいテクだが、思い入れたっぷりのハイドン46番ソナ タが別の時代の曲のように聞こえておもしろい。二度と聴きたくないという感じでもあるのだが。
ハイドン:P・ソナタ46&19
B00005FHYQ ポゴレリチ(イーボ) ハイドン

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 441ch名録音盤、ウィレム・メンゲルベルク(指揮)は、マーラー4番がまた前回とダブった。ワルター・ギーゼキング(ピアノ)は、モーツァルトラヴェルド ビュッシー。玉を転がす音色はどちらにも合うが、私的にはフランスものだけでいいかなという感じ。
 他のchはオムニバス的なものが多かったので取り上げない。今週は録音もしなかったから外れかなあ。
posted by 水野優 at 12:41| Comment(2) | Classical Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月23日

スターデジオ〜ジンマン指揮シューマン交響曲

 最初の無駄話にぼやき節が増えているが、中学の頃は「もうそんなにぼやくなよ」と言われるほどの性格だったのでその頃からちっとも変わっていない。『北 風小僧の寒太郎』が流れる灯油売り車がやってくるようになって、また騒音が増えた。
 年中うるさいのが大ゴミ回収車だ。市より安いといっても金を払って物を引き取ってもらうのはできるだけ避けたい。だから、引っ越し前に捨てるべきだった 布団一組 を綿と布にばらしながらなし崩しに捨てているが、まだ半分くらいしか終わらない(汗。


 440ch作曲家・演奏家特集。クリスティアン・リンドベルイ(ト ロンボーン)では、また「展覧会の絵」があってピアノとのデュオだ が、さすがに食傷気 味になった。竹澤恭子(ヴァイオリン)は、最近よく聴くバーバー協 奏曲が印象的だった。しかし、曲自体はハチャトリアンとなんか似ている。
 441ch名録音盤。ジョージ・セル(指揮)は、名演なのは認める けど、モーツァルト39、ドヴォルジャーク8、シューベルト「グレイト」と毎度の同じ 曲目。手抜きせず違うのを聴かせてくれい。ユーディ・メニューイン(ヴァ イオリン)は、年のわりに録音が良くない気がする。ブルッフの第1協 奏曲1楽章の ラストがかっこいい。

 442ch交響曲、管弦楽曲、協奏曲。デイヴィッド・ジンマン(指 揮)は待ってましたという感じ。ベートーヴェン8は7から予想した通 りのドライな超速 23分。最初はちょっとやりすぎと思うがだんだんこれが快感になってくる。しかし推薦盤としては2番がよかったシューマンを推したい。古楽器だからだろうが、軽いティンパニの音も締まってい いものだ。
 ピアノ協奏曲特集では、チャイコ1アルゲリッチデュトワのあれかと思ったが、濃厚と言われる同じ組合せの'73年盤ではない '70年ものだった。そ れにしても冒頭からミスタッチすれすれにガンガン鳴らしている。私的にあまり好きでない曲だからこういう楽しみ方しかできない(笑。

 ちっとも触れない445ch歌劇、声楽曲だが、マリア・カラス(ソ プラノ)の特集だった。映像でもいろいろ見てきた歌手だが、音だけ聴いてもドラマ ティックな表現が図抜けていることはオペラ音痴の私にも分かる。最近は定番のアリアとかを楽しむ耳なら持てるようになってきた。

 安いと思ったらアルテノヴァレーベルなのね。↓
シューマン:交響曲全集
B0001M6IJ4 ジンマン(デイヴィッド) シューマン チューリヒ・トーンハレ管弦楽団

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starまたやりおったか、ジンマンめが!
starあまり期待しすぎないほうが・・・
starジンマン節炸裂! ちょっと明るすぎだけど…

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posted by 水野優 at 00:03| Comment(0) | Classical Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月16日

スターデジオ〜『展覧会の絵』ジュリアン・ユー編

 日本語ブームと言われて久しいが、テレビの改編期でこれほど「正しい日本語」をテーマにしたクイズ番組がスペシャルも含めて多いのには驚かされる。私は漢 字の筆順や送り仮名といった些末なことには絶対の自信がある反面、慣用句の用法にはわりと弱い(汗。だからよく国語辞典も引く。
 すると、意味を拡大解釈して日頃から使っている言葉は意外と多いことに気付かされる。これは誤用ではなくレトリックの問題だと思って、多少は強引に使わ ないとおもしろい文章は書けなくなる。翻訳するときに適切な言葉が辞書にない場合が多いのと同じことだろう。
 「役不足」や「情けは人のためならず」のように逆の意味に誤用される率が高い言葉は、成り立ちがどうこうと言ったところで、いずれ誤用の意味も「転じ て」と前置きされて辞書に載るようになるだろう。私的にはら抜き言葉や、アナウンサーまでもが平板なアクセントで「何気に」などと話している方がよほど気 になる。


 438ch新譜は、ヴェルディのレクイエム、アルノンクール指揮ウィーン・フィルくらいか。しかし、この曲は「エヴァンゲリオン」と映画「バトルロワイ ヤル」で有名になった「怒りの日」の部分くらいしか印象に残らない(笑。

 440ch作曲家・演奏家特集は、ヴァレリー・アファナシエフ(ピアノ)とミッシャ・マイスキー(チェロ)。アファナシエフのベートーヴェン「皇帝」 は、ソロがなかなか粘っこくて楽しめた。普通ならさらっと流れる経過句までテンポがルバートする。ちょっとグールド盤を連想する。
 マイスキーの特集は何度もあったが、やっとエルガーとシューマンの協奏曲が聴けた。エルガーはデュ・プレに限ると思っているが、マイスキーの「歌い方」 も天下一品だから録音した。シューマンも難曲のわりにはチェロの影が薄くなる演奏が多い中でしっかり自己主張している。

 441ch名録音盤はセルジュ・チェリビダッケ(指揮)の2回目。ここでそのデュ・プレのソロのドヴォルジャークの協奏曲があったが、これは持ってい る。ミュンヘン・フィルとの「展覧会の絵」はずいぶん晩年の録音なので初めて聴いた。昔N響アワーで聴いた来日演奏と似たようなスローでじっくり盛り上げ る感じ。
 チェリのお得意とはいえ、かなり好きな曲のようで、'86年のライブが通の間では評価が高いようだ。いずれ聴いてみたい。個人的には先週のコメントに書 いたジュリアン・ユー編曲を聴いてからはずっとはまっている。メルヘンチックなのが好きな方にはぜひお薦めする。
ムソルグスキー:展覧会の絵[ジュリアン・ユー編曲]
B0001J0D98 岩城宏之 ムソルグスキー オーケストラ・アンサンブル金沢

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2005年10月08日

週刊スターデジオ・レビュー

 スターデジオ・レビューを週間にリニューアルするついでに、スターデジオについてちょっと説明しておこ う。スターデジオは、CSスカパーの 400〜499chの100チャンネル デジタル放送ラジオである。クラシックは 438〜445chの8つで、かつては10chあったのが減らされた。
 去年の末からモーツァルト人気にあやかって439chがモーツァル トの楽章断片BGMチャンネル化しているので、それを除くと週変わりで23時間分のプ ログラムが放送されている。私はもちろん全部聴く。月曜が週の初めだがたいてい水曜には聴き終わっている(笑。

 なので週の後半にはこのレビューが書けることになる。440ch作 曲家・演奏家特集は、ジェームズ・ゴールウェイ(フルート)とエ ヴァ・ポブウォツカ (ピアノ)。フルーティストの特集はだいたい曲目がマンネリだが、ドップラーハンガリー田園幻想曲は何度聴いても構成が意味不明だ(笑。
 だれか他のフルーティストでも聴いた記憶があるダンツィフルート協奏曲第2番にはまた笑った。1楽章がモーツァルトのニ短調ピアノ協奏曲にそっくりの フレーズ満載なのだ。モーツァルト自身の曲でもこれだけ似ているのはないのではないか。

 毎度楽しみの441ch名録音盤は、セルジュ・チェリビダッケ(指 揮)とクララ・ハスキル(ピアノ)。チェリはミュンヘン・フィルとでモーツァルト40シューマン4シュトゥットガルト放送響とでブルックナー3。嫌いなモーツァルト40はドライな快速演奏で私的にはいちばん 聴きやすかった。
 後の2曲はチェリらしい精緻な表現で曲を解説するかのように細部ま で聴かせてくれるが、録音してまた聴こうという気にまではならない。やっぱりこことい うときはもっと熱くなってほしいが、本領のライブでもそんなに変わら ないんだよなあ。私がそういうのを知らないだけ?

 442ch交響曲、管弦楽曲、協奏曲は、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指 揮)とチャイコフスキーの管弦楽曲特集。スクロヴァチェフスキは、 chiakiさんがブルックナー1番がいいと言っていたが未聴で、今回はザールブリュッヘン放送響との5番原典版。これは大団円への求心力が足りないか なあ。
 チャイコは大序曲「1812年」コレクター素材屋さんのために、アバド指揮シ カゴ響を捕獲した。大砲はシンセっぽい音でがっくり。コーダでアッチェレす るのはこの曲のスケール感をそこなうし、アバドはこういう曲はだめっぽい。

 これでは推薦CDがなくなってしまうが、新曲438chで聴いた有森博(ピ アノ)の「展覧会の絵」はよかった。正統的で特におもしろみもないの だが、ピアノ版を初めて聴いたアシュケナージ以来というほど感動し た。
ムソルグスキー:展覧会の絵
B000AA7CPG 有森博 ボロディン ムソルグスキー

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2005年10月01日

9月のスターデジオ・クラシック

 マンスリーのスターデジオ・レビューである。『スターデジオ・タイ ムズ』の番組表を見返しても新曲の438chは載っていないのでいつも新曲についてはよほどでないと思い出せないのだが、テンシュテットマーラー5番(ライブ)だけは覚えている。
 死期まで癌と闘いながら録音したマーラーはC調ぽい5番でも流れに粘りがあってよかった。マーラーを全集で一人の指揮者の演奏だけでしか聴けないなどと いう自体になるとしたら、このテンシュテット、シノーポリバーンスタインベルティーニあたりかなあ。おもしろい演奏は他にあっても全部録音してる人に限 るし。
マーラー:交響曲第5番
B000228W5Q テンシュテット(クラウス) ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 マーラー

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star超爆演、あり得ない凄さ、テンシュテットのマラ5
star1988年です。
star掛け値無し、お勧めします

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 以前、鷹野さんに「ある」と指摘されたカラヤンマーラーをやっと聴いた。これまた5番で、カラヤンには打って付けと思ったが、終楽章であろうことかベルリン・フィルのアンサンブルがちと乱れているように感じてちょっとがっかり した。
 ロストロポーヴィチは音色が特にきれいなわけでもなく(カザルスの 後継?)、バッハだと特にそっけないような弾き方をすると思っていた が、無伴奏1番を聴くと改めてこういうのもいいなと思った。彼の演奏は解説付きのビデオの CS放送で1〜6番を全部見たことがあったというのに(汗。

 ギュンター・ヴァントの特集が2週、モーツァルトブルックナーのオール交響曲。やはりブルックナーの3番がいいが、この人は作曲家が誰であろうとスケルツオのテンポが速い。3楽章がスケルツオの古典派構成の場合、それでは終楽章の盛り上げが難し くなる気がするのだが。
 特集でもテンシュテットがあった。80年代の録音で私的にはベートーヴェン8番がよかった。ラフマニノフの「演奏」特集もあり、'20〜'40年代の録音を怖いもの聴きた さに聴いた。自作以外の演奏は特に聴いた記憶がなかったが、ショパンは けっこうドライ、バッハはロマンティックというぐあいにとんでもなかった(笑。

 ジュリーニの特集2回目は、晩年にいろいろなオケを指揮したもの。ドヴォルジャークの「新世界」はシ カゴ響との演奏が好きだったが、それより新しいロイヤル・コンセルト ヘボウとのも同じく大らかでのびのびとした持ち味を発揮していた。
 ラトルの特集も2回あり、VPOとのベー トーヴェン7番は期待に違わぬ熱演だったが、私的には最近聴いたジン マンがすごすぎたからかすんだ印象だ。ミシェル・ブラッソンと いうフランスの指揮者は初めて聴いたが、サン=サーンス3番が派手さがないけど品が良くて思わず録音した。強奏でも金管がはじけること がない、いわゆる日本人が考えるフランスのイメージっぽい。
サン=サーンス:交響曲第3番
B00005GJGC トゥールーズ・カピトール国立管弦楽団 サン=サーンス プラッソン(ミシェル)

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 モーツァルト交響曲特集では、ムーティVPOの「パリ」、クー ベリックバイエルン放送響の「リンツ」がよかった。「パリ」はモーツァルトが当時のフランス人の嗜好に合わせ て強弱を使い分けてブレークした曲で、後にベートーヴェンの十八番になる手法だ。
 最晩年のモーツァルトが肌に合わないあまのじゃくな私は交響曲だと「ハフナー」 「リンツ」あたりがいちばん好きで、特にクーベリックVPOの演奏は絶品と思うが手元にない。ちなみに、「リンツ」はイントロから提示部までの感じがベー トーヴェンの2番に似ている。これもベートーヴェンが真似たのか。

 先日新居に訪問した素材屋さんが、NTVの「アメリカ横断ウルトラクイズ」の効果音に使われたグローフェの「ミシシッピー」組曲が有名にならないことを指摘していたが、私もなぜグローフェ というといつまでも「グランドキャニオン」ばかりなのか不満だった。
 アメリカの管弦楽曲特集で、その「ミシシッピー」組曲があった。最後の曲は日本語では「懺悔の火曜日」などと訳されていてイメージが湧かないが、原題が「マルディ・グラ」と分かって納得した。ジョージア州辺りで山車から物を投げる騒 がしい祭りのことでそれこそが曲のイメージである。
 同じボストン・ポップスの演奏であったジョン・ウィリアムズの「ニュー・イングランド賛歌」も、小曲だが「未知との遭遇」を彷彿とさせる。今月はいろいろあったし、月一だと寂しいからこ れから週一でやろうかな。
アメリカン・ヴィジョンズ
B00005EH75 ボストン・ポップス・オーケストラ ウィリアムズ(ジョン) ロックハート(キース)

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 ついでに、グローフェを1枚で聴くならこれがだんぜんお得。カスタマーレビューを書いている人も「ウルトラクイズ」で探してたらしい(笑。
グローフェ:ミシシッピー組曲/組曲「グランド・キャニオン」/組曲「ナイアガラ大爆布」
B00005F56R ストロンバーグ

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starおぉ、これは確かに・・

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2005年09月02日

8月のスターデジオクラシック

 先日、最も細い筒のブーツを買ったら入らないと書いたが、やはり別サイズに交換返品しようとしたら、安いので自己負担返送料の方が高く付くからあきらめた。やせて使えるか買い直しか、結果はいかに。
 
 遅くなったが、月末のスターデジオレビューをしよう。以前にピアノ・パラフレーズ特集で好評だったのか、カツァリスの特集があった。ベートーヴェン「英雄」とワーグナーのようなその編曲物はいいが、ベートーヴェンの12番ソナタは流れが強引でどうにも聞きづらかった。
 そのベートーヴェンのソナタ12,13,16,17番を2週に渡って新譜chで聴いた仲道郁代はよかった。ゆったりしていて全体的に素朴だが女性らしからぬ強靱な安定感があって安心して聴ける。あまり好きではない17以外を1枚のMDに押し込んだ。
 
 クレンペラーの特集がなんと3週に渡ってあった。この人が振るとベートーヴェンの1番もスケールがでかくなって別の曲のようになる。ハイドン「時計」は噂通りの名演だった。
 ニュー・フィルハーモニアとのマーラー7番は100分という3番と間違えてるような長さだが、ナイチンゲールが鳴く緩徐楽章などたまらなくよくて、長さゆえに録音しなかったが、暇さえあれば放送で聴いた。
 
 ダニール・シャフランというチェリストは初めて聴いたが、倍音成分が独特で飽きない音色が印象に残った。バッハやベートーヴェンなどステレオ録音分だけでも録ればよかった。
 あとは、オラモのシベリウスは今一つ。ジュリーニの特集は今週も続いているが、晩年の録音はあまり知らないので楽しみ。細かいところにこだわらない大らかな感じがクナのようでいい。
マーラー:交響曲第7番
B00005GIROクレンペラー(オットー) ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 マーラー

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star第7番の名演ではないだろうか?
star説明的な演奏
starこれはマーラーではない、しかし...!

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2005年07月28日

7月のSTARDigioクラシック

 チェス以外はネタ切れ気味なところで、月末のクラシック・レビュー。世界的には大植さんがバイロイトで振ったのが快挙だ。これは小澤征爾のウイーン歌劇場監督どころではないことなのだが、TBS「情熱大陸」でやっていたくらいで、一般的には大した話題になっていない。
 一般的に話題になっているのは何といっても6枚組3000円のベスト・クラシック100だろう。しかし曲目をチェックすると、必ずしも誰もが聞いたことのある曲を中心には選んでない構成だ。楽章の途中で切れる収録には不満も上がっているようで、私はお勧めできない。

 スターデジオだが、2回のグルダの特集で大いに彼を見直した。グールドとよく比較されるわりには、私はさほど個性的なピアニストとは思っていなかったし、晩年のもう指が回らない頃のライブのイメージが悪かったのかもしれない。
 しかし、'70年前後のソロはすごい。バッハの「平均率」少しとベートーヴェンのソナタ18と29が特に良かった。ちゃんと聴いてみたいが、市川と違って松戸の図書館はCDさっぱりないんだよなあ(汗。

 あとは、新譜のシベリウスの3番、セーゲルスタム指揮のがよかった。そもそも3番はいちばん聴いたことがない曲だったが、1楽章から弦が弾んでいてワクワクする。他に7番も録っているセーゲルスタムだが、アナログ時代のメロディア独特の弦の音を彷彿させる録音もいいのだ。
 バロックでグールドのバッハが取り上げられたのもうれしかった。後年に発掘された持っていない録音も録れてほくほく。久々にグールドにどっぷり浸りたくなって昨日からCDをWMPで取り込み始めている(CDプレーヤー調子悪し)。もっと早くやるべきだったか。
posted by 水野優 at 15:04| Comment(3) | TrackBack(0) | Classical Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月01日

6月のSTARDigioクラシック

 昨日の「笑っていいとも!」で、青木さやかが、「ポケットを叩くとビスケットが増えていく童謡の歌詞は、ビスケットが割れて増えるのでしょうか?」という質問を紹介していた。解答(解釈?)はそうではなく不思議なポケットということだが、私も当然のように割れて増えるのだと思っていた(汗。
 
 このブログはそもそも「STARDigioで聴くクラシック音楽レビュー」で始まったわけで、メルマガにしようかと思っていたほどだが、めぼしい曲のスコアを買う余裕もない生活が続いており(汗、大したことも書けないのでこの頃さぼっていた。
 しかし、月に一度くらいは書いておこう。6月は全体的に不作だったが、断トツですごかったのは、クライバー指揮シュトゥットゥガルト響のボロディン交響曲2番だ。新譜の438chは番組表がSTARDigioTimesに載らないから、演奏者を知らずにいきなり耳にした。
 
 素朴で野卑とも思えるこの曲がすさまじいリズムで躍動している。それでいてアンサンブルは一糸乱れない。猛獣使いに完全にてなづけられた猛獣たちが暴れ回っているという感じなのである。
 演奏者を見ると、ロシアものをクライバーが振っていたとは知らなかったから意外だったが、この並の指揮者とは明らかに違うリズム感はやはりと納得したしだいだ。これに比肩できるのはご当地演奏でもスヴェトラーノフくらいだろう。
 
 他には、以前から心待ちにしていた岡城千歳のピアノ版チャイコ「悲愴」をピアノパラフレーズ特集でやっと聴けた。これはマーラーの1番と違って自身の編曲ではないが、ピアノだと難しいと思われる速いパッセージでもテンポが落ちないのがすごい。
 バルビローリ指揮ハレ管弦のシベリウス5番は、ライブのバルビローリらしい熱い演奏だった。亡くなったベルティーニ特集は、マーラーの1,7等があった。ケルンを振った1より都響との7番の方がよかった。
posted by 水野優 at 10:56| Comment(0) | TrackBack(0) | Classical Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月31日

石井宏『反音楽史 さらば、ベートーヴェン』書評

 去年から気になっていてやっと読んだ。「クラシック音楽って所詮その時代の流行音楽にすぎなかったんでしょ?」と聞かれるたびに、そうとばかりはいえないと思いつつうまく答えられずにきてしまったが、その答えを知りたいという思いもあった。
 クラシックは堅苦しいとか思う時期もなく好きになった私には、音楽室にあるカツラをかぶった17〜19世紀の作曲家をちゃかすことなく尊敬の思いで見てきた。本書ではその大多数の作曲家がやり玉に挙げられる。
 書きたいことは山ほどあるのでほとんどは今後のネタにしたいし、内容についてもいちいち触れてられないのでamazonの書評を見て下さい(なんて書評だ)。私のようなドイツ音楽最高人間にも痛快で、老獪な筆者の軽妙洒脱さにも感心した。

 第一部「イタリア人にあらざれば人にあらず」通例の音楽史(その象徴「音楽の都ウィーン」など)は嘘っぱちで、19世紀まで音楽の中心はイタリア、イタリア人が諸国へ招かれて最高給を取っていた。他国の音楽家はイタリアへ行って名声を得るしかなかった。
 私も『アマデウス』などで18世紀までのドイツ人が辛酸をなめてきたことは知っていたが(忘れられたバッハ、貧乏人ハイドン、天才に見合わぬ処遇のモーツァルト)、19世紀でもこれほどとは思わなかった。「音楽の都ウィーン」はヨハン・シュトラウスを待たねばならない。

 第二部「それではドイツ人はなにをしていたのか」これまた挑発的なタイトルである。政治経済文化の全面でアルプスの北は遅れていたが、最終的にイギリスに帰化したヘンデルや世渡り上手のクリスチャン・バッハなど成功したドイツ人もいた。他国へへつらいすぎたせいか後者はドイツ人からも闇に葬られる。

 第三部「全てはドイツ人の仕業である」フランス革命やナポレオンの動乱期を過ぎた19世紀頃からドイツの国粋運動が始まり(ヒトラーまで続く)、独自に起こった観念哲学や美学と連動して音楽面でも現代まで続く形式重視や作曲家権威の風潮を作り上げ、20世紀には聴衆不在の実験音楽の袋小路に陥り、大衆音楽から孤立する元凶となったと説く。

 本書の内容を端的に表すデントの引用を挙げておこう。「ドイツ人の器楽的な世界は、イタリア・オペラという梯子を昇ることによって初めて到達し得たものである。しかし新興ドイツは、一旦その梯子を昇ったあとで、それを蹴り倒し、以後は口を拭ってイタリアの梯子などは最初から存在しなかったようなふりをしているのである」
 私は、この見事の暗喩が本書執筆のきっかけになったように思えてならない。もちろんこんな内容の本はもっと早くに出てもおかしくなかった。著者は英仏文系なのに他にはモーツァルトとマーラーの著作がある。
 経歴からはドイツ叩きの要素は見いだせないが、ベートーヴェンを強弱で観客を煽るだけの作曲家とし、彼をドイツ音楽絶対主義の後ろ盾に利用したシューマンを断罪するくだりは、著者の個人的な好みが出ているようで、amazon書評でも批判の多いところだ。

 結局のところ、これはあくまで音楽史の問題であって、さらには当時実際に人気があった音楽は一般常識とは違うんだよという「ささいな」ことである。「歴史学者の数だけ歴史学はある」という言葉があるくらいだから主観は禁じ得ないし、それがまたおもしろい。
 逆に、ドイツ人が自らに都合の良い音楽史観を打ち立てる間に、イタリア人はオペラにほうけてばかりでなぜ何もしなかったのか?と問いたい。私はイタリアオペラを食わず嫌いなわけではないし、ヴィヴァルディらに関してはとっくに聞き飽きたと言っておこう。
 ジョン・フィールドのように、後にショパンが完成させた「ノクターン」の創始者として名を残す作曲家がいる。それがきっかけで聴くとフィールドの「ノクターン」もけっこういけるなんてことになる。
 あまりに大衆的な音楽にはそんな新規に何かやってやろうという面があまりになくて(あっても黙殺される)、それゆえ十把一絡げにされて音楽史に残らないという面はあるだろう。当時は作曲家より演奏家の方が上だったと言われても残っているのは譜面だけである。

 著者の言う通りだとして、ドイツの仕業がなかったら現在の音楽に上下関係などなかったと言えるだろうか。とてもそうは思えない。今はあらゆるジャンルが細分化する時代である。マニアのいないジャンルなど考えられない。
 音楽ほどギクシャクしていないとはいえ、美術界にもファインアートとポップアートの違いはある。私はamazonの洋書ジャンルで、美術がアートなのに、音楽がエンターテインメントに分類されているのが気に入らないくらいである。このシーサーのジャンル分類も、趣味→音楽にこの手の投稿は場違いなので趣味→芸術にしている。Pod♪Castの音楽ジャンルにクラシックはない。

 最初の話にもどると、やはり「当時の流行とばかりはいえない」音楽が私の好きなドイツ音楽だったのだ。音楽の興隆を100%聴衆に任せていたら一度や二度聴いたくらいでは分からないドイツ音楽は衰退するだろう。著者に言わせれば「正常」にもどるだけなのかもしれないが。
 ブラームス「私にはもうモーツァルトのように美しくはかけないのです」。シェーンベルク「私もモーツァルトのように書きたかったが時代がそれを許さなかった」。これらの言葉の受け取り方は、著者と私では全く違うのである。
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2005年05月05日

『チェロと宮沢賢治−ゴーシュ余聞』書評

 最近また翻訳を始めたので読書のペースが落ちている。『「草枕」変奏曲―夏目漱石とグレン・グールド』がすばらしかった横田庄一郎の本で図書館にあるから読んだのだが、これまた一流のエンターテインメントというほどに堪能した。
 最初の方がテンポが悪い(個々の引用が長すぎる)と思ったが、それは私とグールドと賢治への愛着の違いだと分かった。賢治所有のチェロとその腕前等を扱う前半は、膨大な資料を調査した著者の謎解きのようなおもしろさがある。

 ゴーシュだけでなく賢治自身もチェロを弾いたことは知っていたが、それも当時国内で手に入るチェロの一級品を所持していたことは意外だった。どうも賢治には「雨ニモマケズ」のイメージがつきまとうが、家は名家だし金がなければレコードだってそんなに集められない。
 意外にも戦火も免れて今もある賢治のチェロは、花巻での生誕100年イベントでヨーヨー・マが弾いた。どうしても聞きたくて藤原真理もかけつけたそうで、これが前半の最も感動的な締めくくりである。

 後半は、チェロとゴーシュ成立の関連を扱う。ここでも著者の推測は冴え渡り、賢治全集の内容をひっくり返すほどの説も出てきて、読者もなるほどと思わせるが決して断定的にならないのは奥ゆかしい。
 音楽を聴くと色や形が見えた賢治は共感覚の持ち主だったことは間違いない。それがあの独特のオノマトペを生んだ。私も幼少の頃は言葉、見るもの、音などの間に意味不明の連関を感じたことがあったが、知恵が付くごとになくなってしまったようだ。
 それでも大学の頃電子ピアノを買ってピアノを習いに行っていたとき、ピアノ教室のある教会のピアノの音色が「コーラ飴」に思えて仕方なかった。なぜコーラ飴なのか、コーラ飴のような音とはいかなるものか、自分でも説明できないが、ファゴッティストの友人に話すと不思議と納得してくれた(笑。

 そういえば高校のときの文芸部の友人らは小説や詩で音楽を表現しようとしていた。彼らもクラシック好きだったから賢治を真似た可能性が高いが、人は何かに感銘を受けると自分ができる方法でそれを表現しようとするのは自然の感情なのだろう。
 本書で知っただけでも、賢治の生き方は良くも悪くも私に通じる部分が多くて驚くと同時に共感した。農民の視線に立っているようだが、農民から芸術家など生まれないと本音を言う賢治のダークな部分にまで惹かれてしまった。

 私も郊外へ引っ越して喧噪へのいら立ちからずいぶん解放された。夜におそらく道向かいの畑から聞こえてくるカエルのゲコゲコがトランキライザーの役目を果たしている。賢治ならこの鳴き声をもっと気の利いた言葉で表現しそうだが。
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2005年04月21日

『サウンド・エシックス』書評

 6日のグールド本の寄稿者小沼純一の本をたまたま見つけたので、帰省の車中で読んでみた。タイトルは直訳すると音の倫理だが、副題は「これからの『音楽文化論』入門」である。300ページ足らずの新書のわりには内容はひじょうに多岐に渡っている。
 100ページほどでだんだんいやになってきた。最新の話題を除けばすでに音楽学学部生として学んだことばかりだし、自分がそれに見切りをつけた理由(方法論も経済的にも)を再確認する作業のように感じてきたからだ。

 amazonで書評をしているカスタマー氏(↓リンク)とほぼ同意見で、章の数も量的にも学部生のテキストに最適であり、著者の研究概論の講義向けエッセンスだと思われる。いちおう旧帝大美学系研究者のはしくれとして言うと、もっと自由な視点を持った人なのだろう。
 カスタマー氏は学術系論文への引用が甘いと指摘している。西洋音楽の独自性に関してなら古くはマックス・ウェーバーからザックスや構造主義者の名前が少しは出てきそうなものなのに全く触れられていないからだろう。専門が仏文系だからかもしれない。
 代わりに、'90年代以降ならばあらゆるジャンルの音楽やその関係者に言及しており、引用文献には「何もそこまで」というものまで散見される。学部生を除けばそもそもこういう本は誰のために書かれているのか。

 私が音楽学を専攻していた頃は漠然と好きなことで食えればいいなという思いだったが、学問としての大義名分には「音楽文化向上への貢献」が含まれていた。私などは過去の音楽の研究で十分と思うが、現代社会に役立たねば研究費も回ってこないのだろう(環境音楽プロジェクトなど)。
 職業音楽の発展はその需要にかかっているから、「聴く」耳を育てなければ真の音楽文化向上にはならない。著者がタイトルで示した「倫理」はつまるところ「商業主義に踊らされずにいい耳でいい音楽を聴こうよ」というごく当たり前のことなのだ。

 最近和書もよく読むようになり、インプットを蓄えるほどにどうアウトプットしようかと考えるが、その反面やはり私の本分はもっとアーティスティックな活動にあるという気持ちも新たにしている。私がやらねばならないことは音楽よりももっとマイナーな分野(TGやチェス)なのだろう。
posted by 水野優 at 12:28| Comment(2) | TrackBack(0) | Classical Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月08日

朝比奈隆のマーラー交響曲第7番

 野球にせよクラシックにせよ、私より遥かに詳しく分析している方からトラバが付いている。トラバって付いてみてやっと分かったが要するに逆リンクなのね。トラバ王眞鍋かをりの意味が実は分かっていなかったわけだ(汗。

 朝比奈おっさんファンではないのにまたおっさんネタ。スターデジオ438ch新譜で一発目にかかったのだが、番組表を見て驚いた。おっさんってマーラー振ってたのか。死後ぞくぞくと出てくるライブ録音のおかげでこんなのまで聴けることになるとは。
 やはりテンポの話になるが、遅い。この曲の標準は75〜80分だろうが、約92分。だから今まで聞こえてなかったものが聞こえてくるのはひじょうにありがたい。終楽章のティンパニの入りはサンダーバードのテーマのように楽しいが、このテンポだと予想よりさらに遅いのでこちらがずっこけそうになる。

 もっとマーラーの死生観が出た2や9番もおっさんで聴きたいと思った。私は大学で音楽学まではやったがオケ(楽器)の経験がないハンデを痛切に感じる。せめてスコアはそろえてもっと詳細まで俯瞰できるようにはなりたい。しかし、金がないゆえのスターデジオ頼みという状況である。
posted by 水野優 at 11:33| Comment(4) | TrackBack(0) | Classical Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月06日

グレン・グールドと高橋悠治

 1月に引っ越してからやっと最寄りの図書館へ行ってみた。1km弱あっておまけに小さい分館なのだがオンラインの図書検索はできるようになっていた。性同一性障害関連の本が目当てだったが、カードを作ってなんとなくグールドの本を借りてきた↓。

 '00年にバッハの没後250年記念で出た本だが、もうこの頃はグールドの本を買ってなかったから安いわりに持っていない。この手の寄せ集め本は昔WAVEで出たもので十分と思っていたからでもある。
 ざっと目を通すと、グールド賛が多い中で、高橋悠治が'82年のグールド訃報に関して読売新聞に書いた辛辣な記事が目に留まった。高橋をアンチ・グールドの代表と見なすきっかけとなった記事である。
 サティをレパートリーとする高橋らしく『家具になった音楽』というエッセイの形を取っているが、ここでは音楽性には触れず、レコードというテクノロジーに埋没したグールドは「メディアとしてのメッセージ」が目新しくなくなると同じ事を繰り返すことしかできなくなった。つまり長生きしても仕方なかったとシニカルに論じる。

 これを最初に読んだ頃は「嫉妬」と思った。その後、とりとめのないグールド関連の文献が整理されていくにつれ、グールドの「コンサートは死んだ」発言はレコーディングに引きこもる口実に過ぎないという解釈が主流になってくる。以前ほどグールドを聴かなくなった私も、いたずらに彼を祭り上げるのもどうかと思うようになった。
 マクルーハンは活字メディアの終焉を説いたが、高橋は音楽の終焉を説いているかのようだ。「音楽なんか聴かなくても生きていける。メッセージがあるとすれば、そういうことだ」。高橋はどんな思いで新譜の「ゴルトベルク変奏曲」を録音したのだろう。

 メディアや社会がどう変わろうと、音楽が死のうとも、私はグールドの演奏を今後も聴き続ける。グールドの音楽性はそのようなちんけな時空を超えたところにあるからだ。
posted by 水野優 at 11:49| Comment(3) | TrackBack(0) | Classical Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月05日

朝比奈隆のベートーヴェン交響曲第2番

 スターデジオ、441ch名録音盤、朝比奈隆のベートーヴェン特集1で、コリオラン序曲、レオノーレ第3、交響曲2,3を聴いた。おっさん(朝比奈の愛称)の演奏では初めて聴く2番が意外な組み合わせだなという意味でも印象的だった。
 みんな'70年前後の録音だが、この2番は39分でこんな遅い演奏は初めてだ。なぜか2楽章だけは通常並のテンポだから結果的に緩急のコントラストをわざとなくしたような感じがする。
 去年末のベートーヴェン交響曲全曲ライブで岩城宏之が、2番の2楽章は冗長だと言ったのを思い出した。2楽章だけはスローにすると冗長さに耐えられなかったという風に考えれば、おっさんの解釈とつじつまが合う。だが、4楽章のやや軽い主題もゆっくりやるには変な感じだ。
 3番はオケが新日本フィルだったが金管が浮きまくりで、名録音盤とは言い難いが、ライブではある程度仕方ないだろう。来週は、5,6,8がかかるので楽しみ。CDはたぶん↓(汗。
posted by 水野優 at 13:32| Comment(0) | TrackBack(0) | Classical Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月01日

ヘルマン・シェルヘンのマーラー交響曲第5番

 さて、早速このブログでいちばん多く扱うであろうスターデジオで聴くクラシック音楽ネタである。今週は何といっても441chのヘルマン・シェルヘン特集。
 すでに聴いたことがある2つの序曲は別にして、バッハのブランデンブルク協奏曲1番、ハイドン「告別」。前者はスローかつ精緻なアプローチ、後者は鋭いテンポで終楽章の"Aufwiedersehen"もよく聞こえるなど興味深い。
 しかし何と言っても、もう7年ほども前から存在を知りつつも未聴だったカットしまくり放送ライブのマーラー5番(フランス国立放送管弦)をやっと聴けたことがうれしい。その間に、すごいよと勧めてくれた友人chiakiさんはもうこの世に居なくなってしまった。
 今でこそ人気のこの曲だが、弟子のクランペラーでさえ3楽章が長すぎる等の理由で演奏しなかったらしい。まだあまりマーラーが演奏されなかった'60年代に、おそらく放送時間上の理由とはいえ3楽章が短くカットされた奇演をいたずらにシェルヘンのカリスマ性と関連づけるのはやりすぎというものだろう。
 もっとも、この演奏の極端なテンポ設定やオケがすっ転ぼうとお構いなしのアッチェレランドこそがやりすぎなのだが(笑。そしてこのような演奏がリマスタリングされたいい音で聴けるというありがたい状況さえもがやりすぎなのだろう。
 フィナーレでは、鳥肌が立った寒気から似非花粉症の鼻がむずむずしてくしゃみが出た。それ以外には、死期を悟った指揮者の魂の発露、などという陳腐な言葉しか浮かばない私が情けない。
posted by 水野優 at 18:42| Comment(2) | TrackBack(2) | Classical Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする