ホームページは「チェストランス」です。古い記事では図の駒が表示されません。

2005年11月23日

Flear『Starting Out: Pawn Endgames』

 昨日買ったヘッドホンは予想を十分上回る音質で大満足な結果となった。「耳かけ」は、重さよりも長時間はさんでいる痛みが特に右側にあるが、そのうち耳 が慣れてくるだろう(笑。PCのスピーカーの音がいかに悪いかが明らかになったのかもしれない。


 終盤本は、そろそろ総合本で既存レビューとamazon在庫が両立できるものがなくなってきたので、今回から個別終盤本も扱おう。Glenn Flearの"Starting Out: Pawn Endgames"(192ページ、 2004年、Everyman chess)である。チェスの本は全部Starting Outでそろえてもいいほど、このシリーズは何でもそろっている。


裏表紙の訳:

 キングとポーンだけの終盤はすべてのチェスの局面の中で最も基本的なものゆえ、これを堅実に理解することは、前段階のもっと複雑な終盤に自信を持って望 むための必 須事項である。この読みやすい指南書で、グランドマスターかつ著名な終盤のエキスパートであるグレン・フレアーは、ポーンの終盤の基本中の基本を中心に 扱って いる。簡単な局面から始めてほんの少しずつ難しくしていく中で、フレアーは重要な原則や規則を概説し、例題においてそれらが機能する様を実証する。ポーン をクイーンにするのはこの終盤の優先事項だが、フレアーは、単純な局面から成り行き上生じるクイーンの終盤も補足的に扱っている。有名な「スターティン グ・ア ウト」シリーズの通例として、豊富な注釈や助言、注意点が読者の上達を助けるべく随所に散りばめられている。『スターティング・アウト: ポーンの終盤』 は、『スターティング・アウト・イン・チェス、若いプレーヤーへの助言と終盤に強くなる(Starting Out in Chess, Tips for Young Players and Improve Your Endgame Play)』で腕を磨いた読者に最適である。

*すべての重要なポーンの終盤を網羅
*終盤戦がたやすくステップアップできる指南書
*上達を目指すプレーヤーにうってつけ
*重要な考え方を身に付けやすく見やすいレイアウト

 イギリス人グランドマスター、グレン・フレアーは、国際トーナメントを駆け回る最も有名なプレーヤーの一人である。フレアーは経験豊かなトレーナーでも あり、イギリスのトップ・ジュニア達のコーチでもあった。著したチェス書も多く、エブリマンの新刊には『終盤の考え方をテストする(Test Your Endgame Thinking)』と『...a6 スラブ・ディフェンス(The ...a6 Slav)』がある。

目 次 (第1章のみ下位区分も)

文献
序文

1 ポーンの終盤は特別!
 序論
 ツークツワンク
 キングのテーマ
 他のテーマ
2 最後のポーン
3 局所戦
4 パスポーンの威力
5 パスポーンがいっぱい
6 競争!
7 キングの作戦
8 ポーンの力
9 さらなるポジショナル・テーマ
10 ポーンがクイーンになる時
11 ポーンの終盤にするピース交換

追加練習問題
練習問題解答

11〜12ページのZugzwang訳:

ツークツワンク
 これは、ポーンの終盤で最も重要なテーマの一つである。
 例6: ツークツワンク









図7(黒番)
ツークツワンク

 (図7)ツークツワンクは珍しいものではない。この例では、黒は動かねばならないので、白にc5かe5への侵入を許さざるを得ない。
1...Kc6 2 Ke5 そして白の勝ち。
要点: ツークツワンクはドイツ語で、好むと好まざるに関わらず「動くことを強制さ れた」という意味。

 さらに2,3の典型的なツークツワンクが続くが、このありきたりの用語は他の著者によっては言い換えられている。いくつかの本では、「相互 (reciprocal)ツークツワンク」という用語が「白番ドロー、黒番黒負け」といった局面、つまり手番を持っていることは要求されないが勝敗には決 定的な局面に用いられている。
 一方がツークツワンクによっていずれ指し手が尽きて負ける局面を、「スクイズ(squeeze)」または単にツークツワンクと呼ぶことがある。
 本書では、この2つを峻別する必要はなくツークツワンクで十分と考える。


 きりがないのでこのくらいにしておくが、著者はこう書きながらも次に「スクイズ」の例題をちゃんと説明している。目次によると、本書が白黒のポーン数で 厳密に体系立てた本ではないことが分かる。しかし内容は、上記のように少しかいつまんだだけでも豊富な用例が的確な説明され、「要点」でまとめられてい る。
 ポーンの終盤だけをまるまる1冊で基礎から分かりやすく解説した贅沢な本と言えよう。
Starting Out: Pawn Endgames (Everyman Chess)
1857443624 Glenn Flear

Everyman Chess 2004-11-30
売り上げランキング : 231,564


Amazonで詳しく見る
by G-Tools
posted by 水野優 at 15:04| Comment(2) | チェス(洋書評 終盤) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
何だかスッキリサワヤカなデザインですね。
ブログが細長くずーっと続いて、リボンのようです。
今日、外は晴れていますが部屋の中で棋譜を並べています。こちらの様々な記事で勉強をと思っているのですが、まだまだチェスの大海に溺れそうです。気長に細々と続けたいです。素晴らしい記事をいつもありがとうございます。
Posted by fura at 2005年11月26日 11:12
 どもです。昨日数時間だけ、オレンジ一色の背景に変えたのですが見にくくてまた変えた次第です。逆に寒いかと思いましたがいいデザインですね。
 まだ昼間は日射しだけで暖かくていい季節です。うちの記事は連載物はいずれ全部ページにまとめますが、一時的にせよカテゴリがチェスだけでは見にくいのでジャンル分けしました。もう少し細分するかもしれません。メイソン訳はついに終盤の肝ルックに入っています。
 ごゆっくり活用してくださいませ。
Posted by 水野優 at 2005年11月26日 15:03
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。