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2005年10月24日

Gallagher『Starting Out : The King's Indian』〜早or速指し

 昨日、イトーヨーカドーの流山店へ行ってきた。新しいリュックが必要なので、新松戸のダイエーよりどうせならロッテのセールをやっている方で買おうと 思ったからだ。ネットで調べてみると、新松戸のダイエーは駅から遠い上に(それは知っていたが)それほど大きくなく、パレックスが最近なくなったらしい。
 流山電鉄で流山方面へ行くのはここに引っ越してから9か月経って初めてだったから、どんな街並みかを見ながらの車中だったが、平和台駅の手前でヨーカ ドーに並んで偶然ホームセンターを発見した。松戸市内はタウンページもネットも調べて電車で行けそうなところにないのは分かっていたが、流山市は穴だっ た。
 どちらも駅から至近で日曜でもそれほど混雑していない。ヨーカドーは食料品がもっと安ければ週一くらいで来るかなというところだが品揃えはいい。ビバ ホームは、ホームセンターのわりにゴミゴミしていなく、日用雑貨までそろっている。それぞれでリュックと製作用のパテを買った。これでもう新松戸や馬橋に 買い物の 用はない。


 序盤本の紹介はバランスよく 1 d4と 1 e4を交互にしているから今回は 1 d4。一通り概観しておくべきなので、いよいよのキングズ・インディアンだが、やはり日本のプレーヤーがかなり影響を受けているらしいGMギャラガーの "Starting Out: The King's Indian"(Everyman Chess, 2002)にする。
 (Gallagherの発音だが、アメリカ人ならギャラガーだろうが、イギリス人なのでギャラハーと思われる。ギャラガーとする人が多いようなのでとり あえずそうしておく)

 キングズ・インディアン・ディフェンス(KID)はプロアマ問わず、1 d4に対する最も人気のある防御(カウンターアタック)だが、いかんせん変化が多くてマスターするのが難しい。白が決めるヴァリエーション別の本が多いわ りには、KIDを概観する本は意外と少ない。
 黒番で本腰を入れて指すなら、白番からの各変化本まで総ざらいしておくべきだろうが、そんなことは最初からできるわけがない。そこでこのような本から入 る 必要がある。多くの序盤本の著者ギャラガーは'01年のイギリス・チャンピオンである。

 3ページ分の序文の内容を要約すると…KIDは危険を覚悟で反撃する定跡だから用心深く受け身のプレーヤーはやめた方がいい。KIDのいくつかの戦略 テーマ と、各変化によって異なるその詳細を解説する。KIDの歴史とカスパロフを初めとするKIDを支持したプレーヤーについて触れる。
 KIDの人気の一つは、白が1 c4, 1 Nf3としても同じように使えることである。ギャラガーは、本書を可能なかぎり「公正」に書こうとしたが黒びいきになることを避けられなかったと告白して いる。読者のほとんどは黒番対策に使うのだし、正直でいいではないか。

 章ごとの構成は以下のようになっている:
1: クラシカル 7 0-0以外 (7 dxe5; 7 d5(ペトロシアン・システム); 7 Be3)
2: クラシカル 7 0-0: 7...Nc6以外 (7...Na6; 7...Nbd7; 7...exd4)
3: クラシカル 7 0-0 Nc6: 9 Ne1のメインライン (10 Nd3(メインライン); g4(キング側ブロック); 10 Be3)
4: クラシカル 7 0-0 Nc6: 9 Ne1以外 (9 b4(バヨネット) 10 Re1以外, 10 Re1(メインライン); 9 Nd2)
5: ゼーミッシュ(6...c5(サクリファイス); 6...Nc6(パノ); 6...e5; 6 Bg5; 6 Nge2)
6: フィアンケット(6...Nbd7 ... 8...exd4; 6...Nbd7; 6...Nc6(パノ))
7: 4ポーンアタック(6...c5: 7 d5 e6 8 Be2 exd5 9 cxd5(メインライン), その他; 6...Na6)
8: アベルバッハ(...c5; ...e5; 6...Na6)
9: 早めの h3 (6 Bg5 ... 遅いNf3, 6 Nf3")
10: その他(5 Bd3; 5 Nge2; スミスロフ)

 今回はレビュー訳はしんどいからやめて(汗、最近翻訳で気になることを書く。「早指し」という言葉はひとかたまりで漢字変換されるほどだが、play rapidlyを訳すときは「早く指す」ではなく「速く指す」になる気がしてならない。
 「早い」と「速い」はそれぞれ時間と速度で使い分けると覚えている人が多いと思う。狭義の「早い」は時間というより時刻(例:朝早く起きる)に関する場 合である。辞書では、時間に余裕があること(例:早く到着した。飲み込みが早い)にも使うとあって、earlyとfastほど区別が厳密ではない。

 迅速な行為の結果時間に余裕が生まれたと解釈すれば、「速い」を使ってもよさそうだ。結論としては、プレーヤーの手が素速く動く様に注目すれば「速く指 す」、 20手まで進んで3分しか使っていないと思ったら「早く指す」ということである。
 そもそも「早指し」と書かれたのは、持ち時間が短いから、つまり速く手を動かすかどうか以前に持ち時間が早かったからということにでもして納得しておく しかない。二つの漢字が入り乱れるのはすっきりしないから、全部「速い」にしたいのは山々だが。
Starting Out : The King's Indian (Starting Out)
1857442342 Joe Gallagher

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posted by 水野優 at 00:03| Comment(0) | チェス(洋書評 序盤) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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