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2005年10月12日

Mueller&Lamprecht『Fundamental Chess Endings』

 野球は、日米ともプレーオフや監督去就、阪神は別の話題で盛り上がっているが、私にとっては昨日のヤクルト−横浜戦に目が離せなかった。青木の200安 打、若松監督退任と佐藤真一の引退である。そして勝ったから、まだ金曜の最終戦でAクラスへ滑り込める可能性は残した。


 終盤本の3冊目は、ミュラーとランプレヒトの"Fundamental Chess Endings"である。これはロレンさんが推薦しているし、松戸クラブで持っている人からもいい評価を聞いている。著者はドイツ人で、それぞれ終盤の権 威であるGMとトレーナーのIM。同じ共著の"Secrets of Pawn Endings"も好評を得ている。
 出版社レビューによると、終盤のテーブルベースとこれにアクセスする分析エンジンを用いている。書いている私がよく分かってないが(汗、終盤のデータ ベースを利用して効率化とミス防止を図っているのだ。封じ手のない現代トーナメントに対応する実戦的かつ包括的な21世紀のレファレンスとしている。

 amazonカスタマーレビューに「ぶ厚いけど」とあるが、416ページなのでファインの"Basic Chess Endings"よりはかなり薄い。S. Evan Kreiderのレビューでも、ファインBCEやBCE("Batsford Chess Endings")よりは局面のパターンが少ないとある。
 しかし、それは実戦でよく現れる形にしぼった結果である。そのあたりの事情はもう一つのamazonカスタマーレビューと一致する。では、 Kreiderのべた褒めレビューから最後の部分を引用して訳す。


This book also serves as an excellent instructional text, with thorough and clear discussions of the principles, techniques, and ideas underlying the various endings.  The text includes plenty of appropriate examples, and even has practice problems which help the reader assimilate the information.  The book ends with a chapter of exercises for further practice, and another chapter summarizing the most important endgame strategies and principles.  In conclusion, I wholeheartedly recommend FCE.  If you can only afford one of these three encyclopedias, get this one.
 本書は、様々な終盤の根底にある原則やテクニックや考え方を徹底的かつ明解に検討した最高の(参考書であるとともに)指南書でもある。多数の適切な実例 を含むほかに、読者の理解の助けとなるプロブレムの練習もある。最終章は力試しの練習問題、そしてもう一章は、終盤の最も重要な戦略と原則のまとめとなっ ている。結論として、FCEを心から推薦する。3つの終盤百科(+ファインのBCE+BCE)の中から一つしか買う余裕がないなら、本書を買うべきであ る。


 Richard Palliserのレビューによると、BCEの頃と比べても終盤のセオリーは、ナンのような専門家(テーブルベース作成)やコンピュータのおかげで進歩し てきたという。その成果が、レファレンスであると同時に優れた学習書にもなっている本書である。
 ただ、R+2P vs R+Pのようなものはあまり扱っていない。これはポーンを交換してR+P vs Rにしてからそちらを参考すべきということだろう。クイーンの終盤はナンの"Secrets of Practical Chess"を拠り所としている。局面図の中に○や☆を使って説明したりもしている。
 BCEとの比較は難しいが、BCEでセオリーを詳述されている少数の終盤はFCEでは抜けており、R+マイナーピース+Pは実践で起こる確率が15%未 満のものも省かれている。しかし、テーブルベースによるピースが6個までの終盤は網羅されている。

 後者のレビューを訳すべきだったかもしれない。John Watsonは、レファレンスとしては本書の方が便利としつつも、"Dvoretsky's Endgame Manual"の方がいいと言っている。これもいずれ取り上げよう。
Fundamental Chess Endings
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posted by 水野優 at 15:05| Comment(5) | チェス(洋書評 終盤) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです。
この本はdiagramに参照文献がきちんと書かれているのが気に入っています。
僕はこれも"Dvoretsky's Endgame Manual"もどちらも好きです。
Posted by loren at 2006年02月09日 10:12
 ども、久しぶりに見ていただいたのですね(笑。この頃は受け売りレビューでお恥ずかしいかぎりです。
 うちのHPからロレンさんちをリンクしておきました。
Posted by 水野優 at 2006年02月09日 17:00
リンクを貼って頂きましてありがとうございます。
あの、僕はGMに勝った事はありません。
WGMかIMならあるんですが。。

GMに勝ったと書いた記憶はないのですけれど…。
現実になればうれしいですが、今のところ事実ではありませんので
修正して頂けるとうれしいです。
Posted by loren at 2006年02月09日 21:05
 あう、失礼しました。
 たぶんWGMのを間違えたのだと思います。直しておきました。いつかGMにも勝ってくださいね。
Posted by 水野優 at 2006年02月09日 22:12
早速修正して頂きましてありがとうございました。
うれしい言葉を、ありがとうございます。
目標の一つにしたいと思います。
Posted by loren at 2006年02月10日 23:41
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