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2005年10月10日

Chris Ward『Starting Out the Nimzo-Indian』

 "The Chess Game"レビューのときに書き忘れたが、チェスの棋譜譜面に見立てて音楽にできないかと考えたことがある。ファイルのa〜hはそれぞれ音名(ドイツ 音名 ならロがh、ロのフラットがbなのですべて使える)にし、ランクの1〜8と駒の種類をオクターブか音価(長さ)にして、駒取りやチェックは強調や装飾か。
 クセナキスあたりがデュシャンほどチェス好きならすでにやっているかもしれない、というか私がすで に知らないだけで誰かがもうやっているのかな。声で トーン発信電話をかけられるソプラノ歌手の逆で、その音楽を聴いて棋譜を並べられる絶対音感の持ち主が出てきたりして(笑。


 序盤(本)の紹介をマイナーどころばかりから始めているが、やはり 一通り主なものから一覧しておかねばと思い、今回はニムゾインディアン・ディフェン ス である。1 d4に対して 1...d5 2 c4のクイーンズ・ギャンビットは盤石で、19世紀後半は黒の暗黒時代と言われるほどだった。
 そこでインディアン・ディフェンスが注目されるようになった。インディアンはそもそもフィアンケットのことだが、ディフェンスが付くと 1 d4に対して 1...Nf6と指すものをいう。白のe4を間接的に阻止する狙いのこの序盤は、ハイパーモダン派の代表ニムゾヴィッチ(正しくはニムツォヴィッチ)の名 にちなんでいる。









1 d4 Nf6 2 c4 e6 3 Nc3 Bb4

 レビューする本は、GM Chris Wardの"Starting Out: The Nimzo-Indian" (Everyman, 2002年, 176ページ)である。ロレンさんが期待するStarting Outシリーズだが、私は一冊も持っていないし、1 d4対策も今まで猫の目のように変えてきたのでニムゾに対しても個人的にあまり言えることはない(汗。
 とりあえず、分かりやすい出版社レビューを引用して訳そう。


Ideal for those wanting to understand the basics of the Nimzo-Indian. The Nimzo-Indian is one of the soundest and most popular defenses against 1 d4, offering Black the chance to unbalance the game early on and play for a win without undue risk. Advocates include virtually all of the world's top players, including Garry Kasparov, Vladimir Kramnik, Vishy Anand and Anatoly Karpov. In this revolutionary book, Grandmaster Chris Ward revisits the basic principles behind the Nimzo-Indian and its many variations. Throughout this easy-to-read guide the reader is helped along by a wealth of notes, tips and warnings from the author, while key strategies, ideas and tactics for both sides are clearly illustrated.
 ニムゾインディアンの基本を理解したい読者には理想的な本書。ニムゾインディアンは、1 d4に対する最も堅実で人気のあるディフェンスであり、黒がゲーム早々から均衡を崩し、あらぬ危険を冒さずに勝つチャンスを秘めている。そして、ガルリ・ カスパロフ、ウラジーミル・クラムニック、ヴィシー・アナンド、アナトリー・カルポフなど、現に世界のトッププレーヤーが支持している。画期的な本書で は、グランドマスター、クリス・ウォードが、ニムゾインディアンとその多くの変化の背後にある基本原則を再検討している。この読みやすい指南書を通して、 著者の豊富な注釈や助言、警鐘が読者の助けになり、白黒双方の側から重要な戦略や考え方、戦術が分かりやすく説明されている。


 ChessvilleのBill Whitedのレビューによると、これほど事細かな定跡書が英語で手に入るようになったのはフィッシャーのおかげだとしている。そういえばろくに学校で勉 強していないのに、フィッシャーは英語に訳されないチェス書を読むためにロシア語やスペイン語にも堪能だった。

 本書は、ルービンシュタイン(4 e3)(通常メインライン)、クラシカル(4 Qc2)、4 Nf3、ゼーミッシュ(4 a3)、レニングラード(4 Bg5)、4 g4, 4 Qb3, 4 Bd2まで扱っている。白の4手目は多いと思えるかもしれないが、キングズ・インディアンやクイーンズ・ギャンビット・ディクラインドほど複雑ではないの がニムゾの利点だ。
 しかし、3 Nf3や 3 g3に対しては、あくまで 3...Bb4+(ボゴインディアン)で突っ張るか、クイーンズ・インディアンやカタランにするかの準備が必要である。白でしか指さないなら、4手目を限 定した本を選べばいいだろう。いずれそれらも紹介する。
Starting Out the Nimzo-Indian (Starting Out)
1857442547 Chris Ward

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posted by 水野優 at 15:47| Comment(3) | チェス(洋書評 序盤) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今度例会で「序盤研究会」もやってみたいですね。

ニムゾは郵便戦でよくやっていた。私が白のときは4.Bg5を使った。レニングラードだけの本をたまたま持ってたからだ。松戸例会では、中村一氏と何度か経験あり、白の中村氏は4.Qc2が得意。

「チェスアンテナ」で当ブログが2つに増殖してますね。「水野優のブログ(チェスがメイン)」と「水野優のブログ:チェス」です。すごーい(笑。
Posted by kathmanz at 2005年10月10日 20:12
こんにちは。音楽とチェスの話題で楽しませていただいてます。「棋譜と譜面」で思い出したのですが、水野さんは『完全チェス読本1〜3』をお持ちですか? 第1巻の「音楽家」の章にジョン・ケージが音楽チェスの公演をした話しが出ています(p.97)。デュシャンが"共演"したとのこと。
それより、せっかくのブログでチェスの勉強しなさいって、私。
Posted by fura at 2005年10月10日 21:56
 そういえば松戸勉強会は、来月が今年最後だからそろそろまたやりますか。
 アンテナではテストしてもらってますが、トップのリンクでコメント更新まで反映されるようになったかと思うと、また反応悪いようです(汗。

 furaさん、どもです。『完全〜』は、2だったか「名人編」を借りて読んだだけです。原本も持ってたのにろくに読まずに手放してしまったので、その共演の話全然知りませんでした(汗。
 ラスカーの『チェス戦略』は訳しながら自分も知識を整理しています。図をもう少し小さくしたいんですけどねえ。
Posted by 水野優 at 2005年10月11日 11:39
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