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2005年08月20日

Reuben Fine『Basic Chess Endings』レビュー

 わざわざこのくそ暑い時期に1km弱歩いて最寄りの図書館(分館)へ行くのもなんだから、和書の書評はしばらくお休みにする。手持ちのもまだネタはあるが、チェスの翻訳や例会準備、そして何より本業をもっと優先せねばならない(汗。
 
 今回は、まだやってないジャンル終盤本、私がかつてポーンの部分だけワープロ専用機印刷&コピーでひどい訳を作ったReuben Fineの"Basic Chess Endings"である。以下、「チェス書レビュー」より転載する(汗。
 
 世界チャンピオン以外で最強のプレーヤーの一人ルーベン・ファインは、晩年は心理学書も含めて著作に専念した。本書はその中でも特に名著である。'41初出だけに間違いが多かったが、"Chess Life"誌上でその多くが指摘され、Samuel Louiによる"Basic Chess Endings Correction"なる小冊子までが作られた。
 現在の新版ではもちろんそれらの間違いはPal Benkoの監修で訂正され、記譜も代数式に改められている。

 '69年版から目次を章タイトルだけ引用する(目次だけで6ページある)。
 1.基本のメイト
 2.キングとポーンの終盤
 3.ナイトとポーンの終盤
 4.ビショップとポーンの終盤
 5.マイナーピースの終盤
 6.ルックとポー ンの終盤
 7.ルックとマイナーピースの終盤
 8.クイーンの終盤
 9.結論とまとめ
 
 Basicというタイトルは似つかわしくないボリュームである。残り駒のケースで理路整然と分類されていることがBasicなのかもしれない。5章以降 はもちろんポーンがある局面も含まれる。例外的なケース(例えばK+2P vs KでドローやK+2N vs K+Pで勝ち)も多く言及している点が特徴として挙げられる。
 なので、レファレンスとしての意義が大きいといえよう。実戦で出くわす頻度が高い終盤を手っ取り早く学びたいとか、初心者がとりあえず一通り終盤を勉強するには向いていない。最後までやれずに挫折すること請け合いだ(笑。
 
 第9章のまとめ15箇条を引用して訳そう。600ページ弱のボリュームを極限まで凝縮したありがたい内容である。
 
1. Double, isolated and blockaded Pawns are weak: Avoid them!
2. Passed Pawns should be advanced as rapidly as possible.
3. If you are one or two Pawns ahead, exchange pieces but not Pawns.
4. If you are one or two Pawns behind, exchange Pawns but not pieces.
5. If you have an advantage do not leave all the Pawns on one side.
6. If you are one Pawn ahead, in 99 cases out of 100 the game is drawn if there are Pawns on only one side of the board.
7. The easiest endings to win are pure Pawn endings.
8. The easiest endings to draw are those with Bishops of opposite colors.
9. The King is a strong piece: Use it!
10. Do not place your Pawns on the color of your Bishop.
11. Bishops are better than Knights in all except blocked Pawn positions.
12. Two Bishops vs. Bishop and Knight constitute a tangible advantage.
13. Passed Pawns should be blockaded by the King; the only piece which is not harmed by watching a Pawn is the Knight.
14. A Rook on the seventh rank is sufficient compensation for a Pawn.
15 Rooks belong behind passed Pawns.
 
1.ダブルポーン、アイソレートポーンができたり、ポーンがブロックされると弱点になる。そうならないようにせよ!
2.パスポーンは可能なかぎり速く進めるべきである。
3.1,2個ポーン得していれば、ポーンではなくピースを交換せよ。
4.1,2個ポーン損ならば、ピースではなくポーンを交換せよ。
5.優勢ならは、ポーンが盤の片側だけに残らないようにせよ。
6.1ポーン得でポーンが盤の片側だけにしかなければ、99%ドローになる。
7.最も勝ちやすいのは、ポーンだけが残った終盤である。
8.最もドローにしやすいのは、色違いビショップの終盤である。
9.キングは強力な駒である。活用せよ!
10.ポーンを自分のビショップと同じ色のマスに置くべからず。
11.ビショップは、ポーンがブロックされた局面以外では常にナイトより勝る。
12.2ビショップは、ビショップ+ナイトより実質的に有利である。
13.パスポーンはキングでブロックすべきである。ポーンの見張りをしても痛手にならない駒はナイトだけである。
14.7段目に突入したルックは、1ポーン分の代償に匹敵する。
15.ルックはパスポーンの後ろに配置せよ。
Basic Chess Endings (Mckay Chess Library)
0812934938Reuben Fine Pal Benko

Random House Inc (P) 2003-11-11
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posted by 水野優 at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | チェス(洋書評 終盤) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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