ホームページは「チェストランス」です。古い記事では図の駒が表示されません。

2007年06月27日

エイベ『チェス終盤の手引き』2-9: マイナーピース+P 対 マイナーピース その1

9.マイナーピース+P 対 マイナーピース

 この終盤では、第一に黒のキングの位置が重要である。それがポーンをブロックしていれば、通常ドローになる。さもなければ、黒はポーンを取るためにピースを犠牲にしようとする。対するポーンがa,b,g,hポーンではなく、キングが離れすぎていなければ、それは成功するだろう。しかし、黒のキングが盤の反対側にいれば、ポーンが初期位置にいるa,b,g,hポーンや十分前進したc,d,e,fポーンでも、勝てる場合がある。

 ポーンに関しては、端に寄っているほど有利なので、a,b,g,hポーンが最も有望である。

 最後に、ピースに関しては、このような開けた局面では、ナイトよりビショップの方が強い。

 色違いビショップ同士の終盤は、例174〜188で別に扱う。


 120 白にとって最悪のケースは、N+P 対 Bである。黒は、キングが離れすぎていなければほとんどドローにできる。最も有利なポーンはa,b,g,hポーンであり、本例は、例99と関連する端ポーンがある重要な局面である。

1 Nb7+
 1 Nc4 Bh1 2 Nb6 (2 Nd6(a5) Ba8) 2...Bg2 3 Na4(c4) Bh1.

図120 白番ドロー 黒番黒負け
  a b c d e f g h  
 8   8 
 7   7 
 6   6 
 5   5 
 4   4 
 3   3 
 2   2 
 1   1 
  a b c d e f g h  
白番:bK1k4/P7/8/N7/8/8/8/8 w - -
黒番:bK1k4/P7/8/N7/8/8/8/8 b - -

1... Kd7 2 Kxa8 Kc8
 黒のキングは、ナイトがいるのと同じ色のマスへ進む。2...Kc7?は 3 Nd6で黒負け。
3 Nd6+ Kc7
 ナイトは手待ちできないので、黒番だとそうはいかない。
1... Kd7
 1...Bh1には 2 Nb7+が、ポーンの前進の楯になる。
2 Nb7 Kc6 3 Kxa8 Kc7 4 Nd6.


 121 黒のキングが可能なかぎり遠く離れている場合でさえ、白は、ポーンが十分前進していないと勝つことができない。大まかな目安としては、例145のように4段目の端ポーン、5段目のb(g)ポーン、1910年Kosek作の本例のような6段目のc(f)ポーン、7段目のセンターポーンとなる。

1 Nd6 Bg1 2 c6 Bb6 3 Ke6 Bc7
 長いダイアゴナル(b8〜h2)と短いダイアゴナル(d8〜a5)が交わるc7マスは、まだポーンが横切っていない。
 勝負は、もっぱら短いダイアゴナルの長さによって決まる。この4マスという長さは、ビショップが居座るには不十分なのでいずれ追い出される。例えば、ポーンがまだc6まで来ていないなら、この場合の短いダイアゴナルの長さは5マスとなり、ビショップはそこに居続けられる。
 端寄りのポーンに勝つチャンスが大きいのは、そのダイアゴナルが短くなるからである。防御側のビショップの威力も比例して小さくなる。
4 Kd7 Bb8 5 Ne8 Kg2 6 Nc7 Ba7
 6...Kf3 7 Kc8 Ba7 8 Nb5 Bb6 (8...Be3 9 Nd6 Bb6 10 Nc4 Bg1 11 Kd7) 9 Nd6 Ke2 10 Nc4 ビショップを追い払う。10...Bf2 11 Kd7 Bg3 12 Nd6.

図121 白番白勝ち 黒番ドロー
  a b c d e f g h  
 8   8 
 7   7 
 6   6 
 5   5 
 4   4 
 3   3 
 2   2 
 1   1 
  a b c d e f g h  
白番:8/8/8/2PK4/4N3/8/7b/7k w - -
黒番:8/8/8/2PK4/4N3/8/7b/7k b - -

7 Na6 Bb6 8 Nc5 Kf3 9 Na4 Ba5 10 Nb2 Ke4 11 Nc4.
 ナイトがc4からビショップを追い立てる。黒番では、黒のキングがこの急所のマスを支配できる。
1... Kg2 2 Nd6 Bg1 3 c6 Bb6 4 Ke6 Bc7 5 Kd7 Bb8 6 Ne8 Kf2
 黒のキングは、慎重に道筋を選ばねばならない。6...Kf1? 7 Nc7 Ke2 (黒のキングはうっとうしいチェックを避けてこのマスへ進んだ。7...Ba7 8 Na6 Bb6 9 Nc5 Ke2 10 Na4 Ba5 11 Nb2だと、黒のキングはd3へ行けない) 8 Kc8 Ba7 9 Ne6 Bf2 (9...Bb6 10 Kb7 Ba5 11 Ka6) 10 Nf4+ Kf3 11 Kb7.
7 Nc7 Ba7 8 Na6
 以下は堂々巡りになる。8 Kc8 Bd4 9 Nb5 Be5 10 Kd7 Bb8 11 Nc7 Ba7. 8 Nb5 Bb8.
8... Bb6 9 Nc5 Ke3 10 Na4 Ba5 11 Nb2 Kd4.
 12 Nc4を阻止している。


 まずは最も勝ちにくい「N+P 対 B」の2例から始まる。ビショップとナイトが互いの利きを牽制するしのぎ合いがおもしろい。121はやや複雑だが、黒は短いダイアゴナルにビショップを居座らそうとし、白がそれを追い出そうとする狙いに従えば、候補手は絞れてくる。

 ↓のように少数の典型パターンを徹底的に学ぶ方がいいんだろうけど(汗。
Dvoretsky's Endgame Manual
Mark Dvoretsky
Dvoretsky's Endgame Manual
Russell Enterprises Inc 2006-08-15
売り上げランキング : 38946

おすすめ平均 star
star読む人を選ぶ本

Amazonで詳しく見る
posted by 水野優 at 14:45| Comment(0) | Euwe『チェス終盤の手引き』終盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。