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2007年04月18日

メイソン『チェスの技術』第2部コンビネーション:図262〜265

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図262
4r1k1/pp4pp/2n1pr2/3p4/8/2q4B/P1P1QPPP/3R1RK1 w - -

 フレンチ・ディフェンスから。
 このゲームは極めて美しい結末を迎えた。マーシャル(黒)は、白がdポーンを取ろうとしていることを分かっていたが、それを無視して衝動的な反撃に出る。それは以下のように、白には悲惨なことだが形勢を逆転した。

1 Rxd5 Nd4! 2 Qh5 Ref8 3 Re5 Rh6 4 Qg5 Rxh3 5 Rc5 Qg3!!! 0-1

 興味深い。6 Qxg3なら、6...Ne2+ 7 Kh1 Nxg3+ 8 Kg1 Ne2+ 9 Kh1 Rc3でピース得。かつて指された手の中で、おそらく最も美しく、確実に最も好評を博したとどめの手である。

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図263
rnbqk1nr/pp3pb1/2pp3p/6p1/2BPPp1P/2N2N2/PPP3P1/R1BQK2R w KQkq -

 キングズ・ギャンビットで、不十分な攻撃が弱い防御のおかげで成功する。

1 hxg5 hxg5 2 Rxh8 Bxh8 3 Ne5? dxe5! 4 Qh5 Qf6 5 dxe5 Qg7 6 e6! Nf6 7 exf7+ Kf8? 8 Bxf4! Ke7 9 Bxg5 Nd7 10 e5! Nxe5 11 Ne4

 白勝勢。
 黒の 7...Kf8?での手損が致命的と思われる。斜めからメイトされる危機に陥った。正着は 7...Ke7!で、続いて ...Bg4, ...Nbd7等としてクイーンを追い払えばピース得だった。
 11...Bg4には 12 Qh2!があり、11...Ng4(または d7)も功を奏さない。白がキャスリングで圧倒的に優位になるからである。たった一つの不正確な手が破滅を招いた。

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図264
r2qkb1r/pp1b1ppp/2pp1nn1/4p3/4P3/1BNP1N1P/PPP2PP1/R1BQ1RK1 w kq -

 ルイ・ロペスで、黒が ...Be7の代わりにcポーンを不必要に進めて手損している。

1 Ng5! d5 2 exd5 h6 3 Nge4 cxd5 4 Nxd5 Nxd5 5 Bxd5 Bxh3? 6 Bxf7+! Kxf7 7 Qf3+ Kg8 8 Qxh3 Kh7? 9 Ng5+!

 そして、次手でメイトかクイーン取り。
 黒のポーン損は避けられないので、取り返そうとする 5...Bxh3はさらに事態を悪化させた。もちろん 8...Kh7が勝敗を決めたポカだが、すでに白の優位は勝勢と言っていいものだった。黒は欠かせない重要な手 ...Be7を指さずに進めた。キャスリングを無視してはいけない。

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図265
3b1rk1/1bq3pp/5pn1/1p2rN2/2p1p3/2P1B2Q/1PB2PPP/R2R2K1 w - -

 ブラックバーンのシュタイニッツ!に対するコンビネーション。白が(ルック、ナイトと引き換えに)クイーンを取るか3手でメイトする。

1 Rd7! Qxd7 2 Nh6+ gxh6 3 Qxd7 白勝ち。

 勝負運である。黒が巧妙にポーン得したばかりだったが、上記のありがたくないコンビネーションは黒の想定外だった。


 この戦術系テーマ枠連載もあと3回で終わりなので次をそろそろ決めねばならない。候補はVukovic"The Art of Attack in Chess", Spielmann"The Art of Sacrifice in Chess", Horowitz & Reinfeld"Chess Traps, Pitfalls & Swindles"の3冊だ。
 理論的・包括的なものを優先してやりたいので、やはり"The Art of Attack in Chess"かなあと思っている。また長丁場になりそう。
この記事へのコメント
私も "The Art of Attack in Chess"(Vukovic) を
希望します。勉強しようと思いつつ、本棚の肥やしに
なっているので…
Posted by kshara at 2007年04月18日 18:24
 原書がある方でさえ希望されるとなると、これに決まりですな(笑。
Posted by 水野優 at 2007年04月19日 15:13
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