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2006年08月31日

グリュンフェルト・ディフェンス:クローズ&Bf4

A. P. ソコルスキー『現代定跡の理論と実践』
第17章 グリュンフェルト・ディフェンス
1 d4 Nf6 2 c4 g6 3 Nc3 d5
IV: クローズ・システム V: Bf4ヴァリエーション

IV: クローズ・システム

 4 Nf3 Bg7 5 e3 0-0

  a b c d e f g h  
 8   8 
 7   7 
 6   6 
 5   5 
 4   4 
 3   3 
 2   2 
 1   1 
  a b c d e f g h  
rnbq1rk1/ppp1ppbp/5np1/3p4/2PP4/2N1PN2/PP3PPP/R1BQKB1R w KQ - 0 6

 白はクイーン側ビショップを閉じこめたが、この控えめな変化にはそれなりの長所がある。cポーンを守っているので、白はキング側を 6 Be2や 6 cxd5 Nxd5 7 Bc4として展開できる。加えて、白は 6 b4(Makagonovの手)や 6 Bd2から Rc1と、クイーン側を活性化することもできる。さらには、前述した変化のように 6 Qb3としてd5に圧力をかけることもできる。

 特徴的な変化を記す:
 (A) 6 Be2 dxc4 7 Bxc4 c5 8 d5 e6(8...Ne8から 9...Nd6の方がいい) 9 dxe6! Qxd1+ 10 Kxd1 Bxe6 11 Bxe6 fxe6 12 Ke2 白に好機(Petrosian-Botvinnikマッチ1963)。
 (B) 6 cxd5 Nxd5 7 Bc4 Nb6(7...Nxc3 8 bxc3 c5の方が活動的) 8 Bb3 Na6 9 0-0 c5 10 h3! e6 11 Qe2 Qe7 12 Rd1 Rd8 13 a4 白が陣形的に優勢(Nej-Steinソ連スパルタキアド1963)。
 (C) 6 b4 a5(6...b6 7 Bb2 c5 8 dxc5 Ne4 9 Qb3は、白に好機) 7 b5! dxc4(7...c5以下は、Makagonov-Boleslavskyチフリス(現トビリシ)1951では、8 bxc6 Nxc6 9 Ba3 Nb4 10 Rc1 Bf5 11 Qb3 白優勢) 8 Bxc4 Nfd7(8...Nbd7の方がいい) 9 Ba3 Nb6 10 Bb3 N8d7 11 Rc1 白がクイーン側で圧力(Pavlenko-Litvinovソ連チーム選手権1960)。
 (D) 6 Bd2 c5(6...e6は 7 b4!のために良くない) 7 dxc5 Na6 8 cxd5 Nxc5 9 Bc4 a6 10 b4(10 a4の方がいい) 10...Nce4 11 Rc1 Bg4 12 Nxe4 Nxe4 13 0-0 e6!(Taimanov-Boleslavsky1964)。
 (E) 6 Qb3 e6 7 Bd2 b6 8 cxd5 exd5 9 Be2 Bb7 10 0-0 Nbd7 11 a4! a5 12 Rac1 c6 13 Ne1 Re8 14 Nd3 白少し優勢(Konstantinopolsky-Suetin第20回ソ連選手権1952)。

V: Bf4ヴァリエーション

 4 Bf4

  a b c d e f g h  
 8   8 
 7   7 
 6   6 
 5   5 
 4   4 
 3   3 
 2   2 
 1   1 
  a b c d e f g h  
rnbqkb1r/ppp1pp1p/5np1/3p4/2PP1B2/2N5/PP2PPPP/R2QKBNR b KQkq - 0 4

 4 Bg5なら、4...Ne4! 例えば、5 cxd5 Nxg5 6 h4 Ne4! 7 Nxe4 Qxd5 8 Nc3 Qa5 9 h5(9 e3の方がいい) 9...Bg7 10 h6 Bf6 11 e4 c5 黒優勢(Vasiliev-Krogiusスベルドロフスク(現エカテリンブルグ)1958)。

 4... Bg7 5 Nf3

 5 e3 0-0 6 cxd5 Nxd5 7 Nxd5 Qxd5 8 Bxc7となっても、白の優位はほとんど望めない。Karaklaic-Gligoricベオグラード1962では、8...Na6 9 Bxa6 Qxg2 10 Qf3 Qxf3 11 Nxf3 bxa6 12 0-0 f6! 13 Rac1 Bb7 14 Nd2 e5 15 Nb3 Rf7 黒が好陣形になった。

 5... 0-0 6 Rc1 c6

 Petrosian-Benkoキュラソー1962では、白がまさに ...c5を防ぐために 6 Rc1としているのに、黒が大胆にも 6...c5とした。7 dxc5 dxc4 8 e4 Qa5 9 e5(9 Nd2もいい) 9...Rd8 10 Bd2 Ng4 11 Bxc4 Qxc5 12 Ne4 Qb6 13 Bxf7+! Kxf7 14 Rxc8! Rxc8 15 Nfg5+ Kg8 16 Qxg4 Qc6 17 Nd6 Qd7 18 Qxd7 Nxd7 19 Nxc8 Rxc8 そして 20 Ke2で、終盤は白の優勢。
 6...dxc4 7 e4 Bg4 8 Bxc4 Bxf3 9 Qxf3(9...Qxd4?は 10 Nb5で良くない)でも、白は優勢。

 7 e3 Be6 8 Nd2 Nbd7 9 Be2 dxc4 10 Bxc4 Bxc4 11 Nxc4 Nb6

 チャンスは互角。Polugaievsky-Gellerソ連スパルタキアド1963の序盤手順である。
 あまり出くわさない変化の一つは、4 Bf4 Bg7 5 e3 0-0 6 Qb3 c5! 黒が互角にできるポーン・サクリファイスである。例えば、7 cxd5 cxd4 8 exd4 Nbd7 9 Be2 Nb6 10 Bf3 e6! 11 d6(11 dxe6 Bxe6は白が危ない) 11...Ne8 12 Nge2 Nxd6 13 0-0 Ndc4 14 Rad1 Bd7 15 Qc2 Bc6 16 Bxc6 bxc6(Kotov-Krogius第25回ソ連選手権1958)。


 Petrosian-Benkoキュラソー1962戦がすごいので、評判の大会本を下に紹介します。このゲームが入ってるかどうか分かりませんが(汗。グリュンフェルトは今回で終わり、次回からいよいよキングズ・インディアン・ディフェンスが始まります(古そうで心配)。
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この記事へのコメント
Petrosian-Benkoは、「ティグラン!やればできるじゃんか!」という感じですね。
実戦は20.f4. Rc2, 21.Ke2. Bh6, 22.Nf3. Rxb2, 23.g3. g5までドロー。
当時のbulletinでベンコーは22.Ne4を推奨しており、ティマンの本でもそれに従ってます。20.Ke2には言及なし。
なお、ティマンによると、現在では6...dxc4が良いとされている、とのこと。
Posted by maro at 2006年08月31日 23:28
 詳しいフォローありがとうございます。
 実際は 20 Ke2じゃなかったのですね。こういうゲームでもドローに落ち着くのがティグランらしいとも言えますが(笑。
 ネタは古くても、元共産圏ばかりで、chessgames.comにもないゲームがけっこうあるのが貴重です。
Posted by 水野優 at 2006年09月01日 20:02
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