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2006年08月16日

エドワード・ラスカー『チェス戦略』第2部ゲーム31

ゲーム 31

白:ジョン 黒:ヤノウスキー

シシリアン・ディフェンス

1 e4 c5 2 Nf3 Nc6 3 d4 cxd4 4 Nxd4 Nf6

 4...Nf6の目的は白に Nc3とさせることであり、おまけに c4を防いでもいる。c4として白がd5を支配すれば、...d5を阻止するだけでなく、黒のeポーンを動けなくさせる。eポーンを突けばdポーンが「出遅れ」になるからである。

5 Nc3 g6

 第1部で示したように、まず 5...d6としなければならない。いずれにせよ、黒が ...g6とするには注意が必要である。例えば、5...d6後に白が 6 Bc4とすると黒が 6...g6と返して以下のように続く。7 Nxc6 bxc6 8 e5! Ng4(8...dxe5? Bxf7+) 9 e6 f5 白優勢(シュレヒター対ラスカー戦参照)。

6 Nxc6 bxc6 7 e5 Ng8 8 Bc4 d5 9 exd6 exd6 10 Qf3

  a b c d e f g h  
 8   8 
 7   7 
 6   6 
 5   5 
 4   4 
 3   3 
 2   2 
 1   1 
  a b c d e f g h  
図144
r1bqkbnr/p4p1p/2pp2p1/8/2B5/2N2Q2/PPP2PPP/R1B1K2R b KQkq - 0 10

 白には活動しているピースが3つあるのに、黒には1つもない。黒陣はすでに絶望的である。f7は 10...Qd7では守れない。なぜなら 11 Bxf7+ Qxf7 12 Qxc6+. 10...Qe7+でも、11 Be3 Bb7 12 0-0-0から 13 Rhe1で白の猛攻となる。

10... Qd7 11 Nd5

 白は、展開でかなり勝っていることと黒のキングが真ん中からほぼ逃げられないことを考慮し、前述した単純な変化とは違い、ルック向けに真ん中のファイルを開くため、ナイトのサクリファイスを決断する。

11... cxd5 12 Bxd5 Qe7+ 13 Be3 Rb8 14 0-0

 14 0-0-0の方が、クイーン側ルックを同時に繰り出せるのでさらに強力である。

14... Bg7 15 Bf4 Rb6 16 Bc6+ Rxc6

  a b c d e f g h  
 8   8 
 7   7 
 6   6 
 5   5 
 4   4 
 3   3 
 2   2 
 1   1 
  a b c d e f g h  
2b1k1nr/p3qpbp/2rp2p1/8/5B2/5Q2/PPP2PPP/R4RK1 w k - 0 17

 16...Bd7なら、17 Bxd7+ Qxd7 18 Rad1 Qb7 19 Rfe1+ Ne7 20 Rxe7+ Kxe7 21 Bxd6+... または 18...Qc8 19 Bxd6...

 17 Re1なら、黒は 17...Bf6でもう少しがんばれただろう。しかし、17 Qxc6+後は、白戦力が猛攻へと集結する前に早くも崩壊する。

17 Qxc6+ Qd7 18 Rae1+ Ne7 19 Rxe7+! Kxe7 20 Re1+ Kf8 21 Bxd6 Kg8 22 Re8+ Bf8 23 Rxf8+ Kg7 24 Qc3+ 1-0
posted by 水野優 at 00:00| Comment(0) | Ed.Lasker『チェス戦略2』実戦(完) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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