ホームページは「チェストランス」です。古い記事では図の駒が表示されません。

2006年08月15日

坂口允彦『チェス上達法』書評

 坂口允彦の『チェス上達法』(206ページ、'90年、虹有社)である。もう入門書は今さらという頃だったが、この再版を本屋で見つけたから買った。タイムリーな(私が合わせた?)maroさんの「戎棋夷説」13日分 によると、'79年初版と分かった(しかし、「序」は'76年となっている)。
 今は亡き将棋のプロ棋士の著者は、JCAの前身日本チェス連盟の会長をするほどチェスにも尽力した。私が小学生のときにたまたま買った将棋の本が、この著者の『将棋に強くなる』だったことには、何かしら運命のようなものを感じる。

目次
序 三田村篤志郎
はじめに

1.エチケットと棋譜の読み方
 1.対局上のエチケット
 2.棋譜(きふ)の読み方
  駒の記号・ポーンの記号・タテ線の説明・
  ヨコ線の説明・盤面の記号・記号の説明・
  棋譜の読み方の実例

2.チェスの基本戦法
 1.チェスの攻め方
  ・ダブル・チェック
  ・フォーク(両取り)
  ・ピンアップ(釘づけ)
  ・ディスカバード・チェック(あき王手)
  ・有利な交換をねらう
   有利な交換をねらっての攻め方
   フレンチ・ディフェンス
 2.エンド・ゲーム(終盤戦)
  ・クイーンの寄せ方
  ・ルックの寄せ方
  ・二ビショップの寄せ方
  ・ビショップとナイトの寄せ方
  ・ポーンの寄せ方

3.オープニングと中盤戦の要点
 1.センター・ゲーム
 2.ダニッシュ・ギャンビット
 3.スコッチ・ゲーム
 4.エバンス・ギャンビット
 5.ギューコ・ピアノ
 6.ツー・ナイト・ディフェンス
 7.フォー・ナイト・ゲーム
 8.ルイ・ローペズ
  モッフィー・ディフェンス
  ステェインツ・ディフェンス
 9.ペトロフ・ディフェンス
 10.キングズ・ギャンビット
 11.フォークビア・カウンター・ギャンビット
 12.シシリアン・ディフェンス
 13.フレンチ・ディフェンス
 14.カロ・カン・ディフェンス
 15.ビエナ・ゲーム
 16.フィルダー・ディフェンス
 17.クイーンズ・ギャンビット・アクセプテッド
 18.スラブ・ディフェンス
 19.ニムゾ・インディアン・ディフェンス
 20.クイーンズ・インディアン・ディフェンス
 21.キングズ・インディアン・ディフェンス
 22.ダッチ・ディフェンス
 23.イングリッシュ・オープニング

4.中盤戦−攻防の急所
 1.ネクスト・ムーブ(次ぎの一手)
 2.手筋による攻め方
 3.チェスの攻め方

5.エンド・ゲーム(終盤戦)のテクニック
 1.キングとポーン一対キング
 2.キングとポーン二対キング
 3.キングとポーン一対キングとポーン一
 4.キングとポーン二対キングとポーン二
 5.キングとポーン三対キングとポーン二

6.実戦棋譜の解説
 1.1961年クリスマス国際親善チェス大会
  N. Sakaguchi(日本)対Alvarez(フィリッピン)
 2.世界チェス選手権試合1961年
  M. Botvinnk(挑戦者)対M. Tahl(チャンピオン)
 3.世界チェス選手権試合1937年
  Dr. M. Euwe(チャンピオン)対Dr. A. A. Alekhine(挑戦者)
 4.世界チェス選手権試合1937年
  Dr. A. Alekhine対Dr. M. Euwe
 5.世界チェス選手権試合1927年
  J. R. Capablanca対Dr. A. Alekhine
 6.世界チェス選手権試合1927年
  J. R. Capablanca対Dr. A. Alekhine

附録 チェス競技法

 14ページだけとはいえ、メイトではなくポーンの終盤にこれだけ目を向けた和書は初めてではなかったかと思う。シリーズらしき本に『チェスの打ち方』 『ゲームとチェスの遊び方』『チェスの詰手(翻訳)』があるが、私はなぜか書店で背表紙を見た記憶くらいしかない(汗。
 「序」には、昭和初期からの日本のチェス事情が書かれていて興味深い。昭和24年に『チェス入門』、36年に『チェス』を刊行とあるが、第一次ブームと 呼べるものは本書の刊行時期のようにフィッシャーの登場を待たねばならなかったようである。
チェス上達法
4770900066 坂口 允彦

虹有社 1990-04
売り上げランキング : 973255


Amazonで詳しく見る
by G-Tools
posted by 水野優 at 00:00| Comment(7) | チェス(和書評) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
僕たちのUSCF Osakaには、時々、英文の問い合わせ
メールが来ます。

2日ほど前に来たメールの問い合わせは
1947年に20歳で日本に滞在したアメリカ人で
「SAKAGUCHI SAN]と20ゲームして10−10だった
どこかの州のアマチュアチャンピョンで、
「SAKAGUCHI SAN]を誰か知らないか?という
ものでした。

彼のプロフィールと経歴、入門書を2冊書いた事、
をしらせましたが、坂口さんは1908年生まれ
でしたが、彼の歳をアメリカ人の方は知らなかった
ようで亡くなる前に探せばよかった、とのことでした。

最近、昔のチェスフレンドを探す人をよくみかけますね。
Posted by cod at 2006年08月15日 11:42
 お久しぶりです。
 過去に日本に駐留していた退役軍人さんでしょうか。坂口さんは夭逝ではないし、日本人は若く見られるので勘違いされたのかもしれませんね。
 昔のチェス本は常時求めています(笑。大阪の頃とは私もいろいろな意味で変わりました。
Posted by 水野優 at 2006年08月15日 13:49
申し訳ないです。私の'79年版は15版でした。初版がいつなのか、畏友に訊いてみますが、わかるかなあ。
codさんのお話はとても興味深いです。話題の方は坂口の棋譜もお持ちなんでしょうね。
Posted by maro at 2006年08月15日 23:14
岩野さんのページ
http://www.geocities.jp/chess/chap02.htm

によると、
「チェス」坂口允彦著、誠文堂新光社発行、昭和36年
「チェス上達法」坂口允彦著、虹有社発行、昭和47年(6刷)

と書いてありますね。


坂口さんは、1946−47年、くだんの
アメリカ青年が占領している軍隊クラブを訪れたとき、チェスと囲碁を教えていたそうです。

坂口さんから、囲碁を習ったと述べています。


Posted by cod at 2006年08月16日 01:32
 いえいえ>申し訳ない
 古い本と思われたくないのでしょうが、初版年は記してほしいですねえ。
 誠文堂新光社は天文本をよく買いました。もう手元にないけど。
Posted by 水野優 at 2006年08月16日 11:34
坂口は囲碁も強かった、というのはありそうなことですよね。「チェス上達法」は昭和37年が正しいかな、としておきます。国会図書館の本はそうなってるそうです。
Posted by maro at 2006年08月16日 23:52
 昭和37年初発だと、終盤技法のページが文句なしに先見の明ですね。
Posted by 水野優 at 2006年08月18日 00:10
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。