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2011年08月29日

木村泰司『名画の言い分』書評

 これも佐々木俊尚が「文庫化されたのを買おう」とツイッターで書いていたので、図書館から借りてきた。無料ならハードカバーのほうが字も大きくていい。 いきなり驚かされるのは、ボッティチェリの絵画プリマヴェーラの前に著者が映り込んでいる表紙だ。自己顕示欲の強い私でもここまで はなかなかできない(紙版の白黒印刷に画像を載せてもグラデーションが出ないし)。
 著者の講演活動では、これが名刺代わりにもなるのだろう。私より若いのにスキンヘッドなのもインパクトがあっていい。出版社さえいいならこういうの は、ありだ。イケメンの作家はこれからどんどん表紙に自分を出すべきだろう。

 『名画の言い分』数百年の時を超えて、今、解き明かされる「秘められたメッセージ」。著者は、「絵は感覚で見るものとごく当たり前に思っている人たち に、絵は見るものではなく読むもの」 だと一貫して主張している。古代ギリシャ・ローマから印象派までの絵画や彫刻を、歴史的・宗教的にもわかりやすく解説しながらひもといていく。誰にでもお 奨めできるレベルだ。

 自分が得意な音楽とどうし ても比較してしまうが、音楽に比べると絵は一瞬にして全体像をとらえられるし、前衛的な抽象画を除けばたいていは風景か人物が描いてあるから、わかるわか らないではなく、好き嫌いの問題だと即断してしまうのだろう。
 絵に関してはマグリットだ けで満足しているが、本書冒頭の40ページほどの写真資料の中では15〜17世紀頃のフランドル絵画が興味深い。印象派にもっと興味があるか、出版社へ行 くついでがあれば、国立新美術館で やっているワシントン・ナショナ ル・ギャラリー展へ行くところだが。

名画の言い分 数百年の時を超えて、今、解き明かされる「秘められたメッセージ」
木村 泰司
名画の言い分 数百年の時を超えて、今、解き明かされる「秘められたメッセージ」
巨匠たちの迷宮-名画の言い分 美女たちの西洋美術史 肖像画は語る (光文社新書) 西洋美術史から日本が見える (PHP新書) 名画の秘めごと―男と女の愛の美術史 裏側からみた美術史 (日経プレミアシリーズ)
posted by 水野優 at 13:49| Comment(0) | 英語/翻訳/文芸/科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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