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2006年06月05日

ラスカー『チェスの常識』No.9その4

 イタリアのアルベルト・スギの作品を盗作した疑惑で文部科学大臣賞剥奪の可能性がある話題の画家和田義彦が、ついに白状し始めた。'06/2/3に書評 した『著作権とは何か』を 基 準に考えても、スギの作品を知っていたことは疑いがないし、タイトル名や構図の酷似が「アイデア」だけを盗んだように見えないから著作権侵害に違いない。


エマヌエル・ラスカー『チェスの常識』(1917)
No.9 その4

黒:シュタイニッツ
  a b c d e f g h  
 8   8 
 7   7 
 6   6 
 5   5 
 4   4 
 3   3 
 2   2 
 1   1 
  a b c d e f g h  
白:ラスカー
5N2/1k1r2pp/1ppp1p2/4nP2/1P2P3/2PqB1Q1/1P4PP/4K2R w K -

 引用した局面(白番)は、シュタイニッツ氏とのマッチで生じました。私はいくぶん急いでこう指しました。

1 Rf1

 Nxd7はパペチュアル・チェックでドローにされそうだったからです。しかし(最初に指摘したのはチゴリンだったと思いますが)、それは間違いでした。 例えば、1 Nxd7 Qb1+ 2 Kd2 Qxb2+ 3 Kd1 Qb3+ 4 Ke2 Qc4+ 5 Ke1! Qxc3+ 6 Bd2 Qa1+ 7 Ke2で、白の楽勝でしょう。

1... Qc2 2 Bd2 Re7 3 Ne6 Qxe4+

 ここで白は、用心深く応手を選択しなければなりません。指せそうな 4 Kd1 Qb1+ 5 Bc1 Nd3 6 Qxd6 Nxb2+ 7 Ke2 Qe5+ 8 Be3 Qxe3では、戦力が互角になるのでドローの可能性が濃厚となります。

4 Qe3 Qxg2

 ここから、白の防御の鍵となる重要な作戦が続きます。

5 b3

 5 Qe2だと、黒は 5...Qd5としてクイーン側を意のままにできます。

5... Re8

 5...Qxh2は戦力を互角に保つには不十分です。白は Kd1や b5と応じて、直ちに攻撃を開始できます。

6 Qe2 Qh3

 黒の攻撃が息切れする兆候が見え始めました。クイーンはクイーン側のどこかへ置いた方が良かったでしょう。ただし、6...Qd5は 7 c4でクイーン交換を強いられるのでだめですが。

7 Kd1 Ra8 8 Rf2 Ra2

 黒のピース配置は良好ですが、狙いが何もありません。

9 b5 c5 10 Nxg7 d5 11 Kc1

 白は、速くクライマックスへ向かうためにルックを追い払いにかかります。

11... Qd3

 11...c4は 12 bxc4、11...Nd3+は 12 Kb1と返され、交換の結果は必ず白が有利です。

12 Qxd3 Nxd3 13 Kb1 Rb2+ 14 Ka1 Rxb3 15 Rf3

 そして白が終盤戦で勝ちました。


 後2ページでNo.9が終わるのでそこまで訳すつもりだったが、新ブログ開設も控えているし、読書にも時間を取りたい。更新頻度を下げずに手を抜くには 1回の量を減らすしかない(汗。他の連載はこんな風に切れ目を調整できないが。
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posted by 水野優 at 11:05| Comment(0) | Lasker『チェスの常識』講義(完) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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