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2006年04月25日

エドワード・ラスカー『チェス戦略』第2部ゲーム15

 昨日は原因不明の山手線線路隆起があり、今日は福知山線大事故から1年。私もこの路線を常駐先への通勤に利用していたことがある。阪神大震災も経験した が、あれが朝のラッシュ時だったら同じような大事故がいくつも起きていたかもしれない。


エドワード・ラスカー『チェス戦略』(1915)第2部
(ゲーム9まではHP「チェストランス」参照)

ゲーム 15

白:アリョーヒン 黒:ニムツォヴィッチ

ルイ・ロペス(第1部参照)

1 e4 e5 2 Nf3 Nc6 3 Bb5 a6 4 Ba4 Nf6 5 0-0 Nxe4 6 d4 b5 7 Bb3 d5 8 dxe5 Be6 9 c3 Be7 10 Re1

  a b c d e f g h  
 8   8 
 7   7 
 6   6 
 5   5 
 4   4 
 3   3 
 2   2 
 1   1 
  a b c d e f g h  
図122
r2qk2r/2p1bppp/p1n1b3/1p1pP3/4n3/1BP2N2/PP3PPP/RNBQR1K1 b kq - 0 10

 ルイ・ロペスで最も重要な局面の一つである。黒は展開で上回るが、センターが危うい。白のセンター・ポーンは強固だが、黒のセンターのナイトはいずれ追 い払われる。白がセンターの要d4を完全に掌握しているのに対して、黒はd5が白のピースの圧力にさらされ続けている。最後に、黒のクイーン側ナイトは、 不都合にもcポーンが他のポーンと足並みをそろえるのを邪魔している。
 1909年にペトログラードで、ラスカーは以下の新しい防御を試みた。dポーンへの圧力を解放して最終的にd4でそれを交換するために、それまでの手得 を放棄して ...Nc5から ...Bg4とする。
 図122の局面に関しては様々な可能性が議論されてきた。付け加えると、10...0-0には 11 Nbd2が、もっともらしい 11 Nd4よりはるかに好手である。攻撃より先にクイーン側を展開すべきだからである(しかし、11 Nd4 Qd7?には 12 Nxe6から Rxe4)。長い間 11 Nd4に対して、黒はナイトを交換しなければならないと考えられてきた。その場合、白は Be3としてc7のポーンを「出遅れ」にできる。ナイトを交換しないと、黒はまず ...h6として f3から f4とされる脅威からナイトを守らねばならない。しかし、11 Nd4をとがめるセンセーショナルな新手が1912年のブレスラウで現れた。以下のサクリファイスである。10...0-0 11 Nd4 Nxe5! 12 f3 Bd6!! 13 fxe4 Bg4!! 14 Qd2 Qh4で圧倒的な攻撃。

10... Nc5 11 Bc2 Bg4 12 Nbd2 0-0 13 Nb3 Ne4

 ラスカーはヤノウスキーに対して(1912年パリで) 13...Ne6と指したが、14 Qd3が黒のキング側に混乱を強いたために悪手と判明した。

 13...Ne4は、ポーン・サクリファイスにはならない。14 Bxe4 dxe4 15 Qxd8 Raxd8 16 Nfd4 Nxd4 17 Nxd4 Rd5 白は 18 Rxe4とできない。なぜなら 18...c5 19 Nc2 Bf5 または 19 Nf3 Rd1+ 20 Ne1 Bf5 21 Re2 Bd3 22 Re3 Bg5.

14 Bf4 f5 15 exf6 Nxf6 16 Qd3 Ne4?

 これでは、cポーンを失ってdポーンが弱くなる。黒は 16...Bxf3 17 Qxf3 Bd6とすることができた。その場合、ナイトをどけてから ...c6でdポーンを守れた。黒が2ビショップに拘泥すると、危険な ...g6とさえしただろう。
 17 Bh6 Rf7には、g8かg4のキング側ナイトでこのビショップを追い払える。開いたファイルは、ある程度の代償と反撃機会となる。

17 Bxc7 Qd7

 17...Qxc7は 18 Qxd5+があるのでだめ。

18 Ne5 Nxe5 19 Bxe5 Bh4

 19...Rxf2は良くない。20 Rxe4 Bf5 21 Qg3.

20 Bg3 Bxg3 21 hxg3 Bf5

 21...Rxf2!で互角にできた。22 Rxe4 Bf5! 23 Kxf2 Bxe4 24 Q動く Qf5+から ...Bxc2. このチャンスを逃した黒は、やがて敗北する。

22 Qd4 Rfd8 23 Rad1 Qc7 24 Nd2 Nxf2

 ついに、やけくその手。黒は2つのマイナーピースと引き換えにルックとポーンを得るが、ルックで攻撃の主導権を取る時間がない。ポーンを捨ててもマイ ナーピースを交換するのが、最も賢明なプランである。クイーンとルックの終盤はたいていドローになるからである。黒は、本譜の代わりに 24...Nxg3とはできない。25 Bb3!とされる。

25 Bxf5 Nxd1 26 Rxd1 Qxg3 27 Be6+ Kh8 28 Bxd5 Rac8 29 Ne4 Qh4 30 b3 Rc6

 白は、パスポーンを得て勝利が早まった。

31 Qf2 Qh5 32 Qf3 Qxf3 33 gxf3 g6 34 Rd2 Rb6 35 c4 bxc4 36 bxc4 Rb1+ 37 Kf2 a5 38 c5 Rc1 39 c6 Kg7 40 Bc4! Rxc4 41 Rxd8 Rxc6 42 Rd7+ Kh6 43 Kg3 Rc4 44 Nf2 Kg5

 以下のメイトが狙われていた。45 Ng4+ Kh5 46 Rd5+ g5 47 Rd6から Rh6#(47...Rxg4+なら 48 fxg4#).

45 Rd5+ Kf6 46 Rxa5 1-0


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posted by 水野優 at 12:23| Comment(2) | Ed.Lasker『チェス戦略2』実戦(完) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
高級プー太郎なんで、やる事は
MIXIしてるかNET Surfinをしてる。
(何と、非生産的活動なんだろう)

水野様のぶろぐで、チェスの盤面見ると、
解説読まずに、勝手に頭ん中で、盤面の動かない
駒を動かしてます。

相手の駒とっても使えない・・・・・
ただ取るのでなく、相手の動きを妨げる
取り方をしないと、あかん・・・・

Chessって難しい。と、ふっと感じます。
Posted by 鷹野晴信 at 2006年04月26日 11:25
 貯金が許せばしばらくのんびりするのもいいですね。私はのんびりしすぎてこのざまですが(汗。

 数手ごとに盤面があればいいんですが、変化も多く書いてあるので頭の中だけではなかなか難しいと思います。記事にjavaを突っ込めば、この盤面上で駒をドラッグして動かせるようにもできるのかしらん。

 自分の好きな仕事だけを追求した結果、私はチェスでも相手の手を無視して「勝手読み」するようになり、歳のせいで集中力も続かず、対局からはリタイヤしました(汗。
Posted by 水野優 at 2006年04月26日 18:48
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