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2006年02月28日

Agur『Bobby Fischer: His Approach』

 JPCA会報誌「The Pawn」の作成にも入っている。今後の運営の根幹でもあるトーナメント案内は、国内と国際でそれぞれ1ページずつの体裁になりそうだ。ウェブチェスが新 規 に加わるので国際部門が拡大する。細かい部分についてはまだ議論中である。


 Elie Agurの"Bobby Fischer: His Approach"(276ページ、'93年、エブリマン・チェス)である。以前からこの一見マニアックな本は気になっていた。米 amazonのレビューでは平均で☆5つの評価、日本では4つだが、そのレビューはかなり好意的だ。

目次の訳:
棋風には何があるか?
ポーン形
 gポーン
 ポーン・チェーンI
 ポーン・チェーンII
 ポーンの三角形
 キングズ・インディアンのセンター
ピース配置
 異例の駒組み
戦力考察
タイミング
戦略
 戦略プラン
 主導権の確保
 典型的駒繰り
 清算の技巧
 駒の配置的緊張の維持
 優位の転換
 空間を求めて
 美学の役割
 空マスの詩情
明快さ
率直さ
用心深さ
相手の選択肢を奪う
勝利を目指して
 勝利への意志
 積極的な防御と反撃
 危険を背負う
実戦的好機
 好機の利用
 はめ手
戦術
 戦術的洞察
 両刃で投機的なチェス
 戦術的策略の失敗
技術的側面
 テクニック
 ビショップペア
 色違いビショップのあるルックの終盤
皮相
勝ち損ない
典型的ポカと見落とし
総合的視野へ
 壮大な道筋
 統一した視野
あとがき
参考文献

ポーン形」より一部訳:
 フィッシャーは常に、双方のポーン形を考慮しながら、自分と相手 の指し手の結果がどうなるかをひじょうに良く理解していた。ペトロシアンとのマッチ第7戦(1971年の世界選手権挑戦者候補者戦)では、ペトロシアン (黒)の12手目後に以下の局面(図6)になった。

図6 白番
  a b c d e f g h  
 8   8 
 7   7 
 6   6 
 5   5 
 4   4 
 3   3 
 2   2 
 1   1 
  a b c d e f g h  

 ここでフィッシャーは 13 Re1とした。この決断は、主としてこの局面のポーン形を考慮すれば理解できる。彼はクイーンのない中盤戦へ向かいたかった。クイーン側での2対1のポー ンの数的優勢に加えて黒の孤立したdポーンは、あらゆる終盤で白が 満足できる具体的な長所となるからである。さらに、すぐ後で b4として ...a5の前進を牽制し、a6のポーンに長期的な圧力をかけるという展望も描いていた(図158参照)。現に、これが黒陣を崩壊させる要因になることが 判明する(図285参照)。…


 たしかに棋風の研究といっても小難しいものではない。同一ゲームからいくつもの局面が実例として利用され、それらが緊密に参照し合っているのが見て取れ る。長い手順を並べる必要もあまりないので読みやすそうだ。羽生さんもこれを読んだのかなあ。
Bobby Fischer: His Approach to Chess (Cadogan Chess Books)
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posted by 水野優 at 13:23| Comment(0) | チェス(洋書評 その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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