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2006年02月14日

Kasparov『Garry Kasparov on My Great Predecessors Part 1』

 ha4shu2さんの尽力によって「JPCA日本郵便 チェス協会の存続を願う集い」なる掲示板が立てられ、同会存続への話し合いが持たれている。私が協力できるもしくはしたい部分は会報の発行だか ら、そういうブログにしていけば一石二鳥なのかもしれない。でも、ウェブで見られる人には紙で必要ないのかなあ(汗。


 Garry Kasparovの"Garry Kasparov on My Great Predecessors, Part 1"(464ページ、'03年、エブリマン・チェス)である。5冊で完結(?)の1冊 目では、主としてシュタイニッツ、ラスカー、カパブランカ、アリョーヒンの世界チャンピオン最初の4人の棋風を分析している。
 「シュタイニッツ以前のチェス」の全局分析は"The Mammoth Book Of The World's Greatest Chess Games"と同じマクドネル対ブルドネ戦で始まる。ガルリ・カスパロフは、言わずと知れた元世界チャンピオン(第13代)で、'85〜'00年には並ぶ 者がいなかったほどあらゆる国際大会で活躍した。
 ソフトによるチェックも加わったカスパロフの解説は信頼できる上に、当時の時代背景や文化にも触れる歴史書でもある。なにぶん大書なので、少なくとも歴 代世界チャンプを扱う最初の3巻を読破する気力がないと買ってもしょうがないだろう。上級者や収集家のライブラリーには必須だが。

目次の訳:
序文
1 シュタイニッツ以前のチェス
2 ウィルヘルム 初代
3 エマヌエル 第二代
4 ホセ・ラウル 第三代
5 アレクサンダー 第四代
プレーヤー別索引
定跡別索引

1 シュタイニッツ以前のチェス冒頭訳:
 チェスの歴史的発展段階は、誰もが初心者から上級プレーヤーへ進んでいく道筋に似ている。16および17世紀の黎明期には、誰もが指し方には無頓着に ゲーム を繰り返していた。チェックができればそれを怠らず、クイーンをすぐに戦線へ繰り出し、すべてのピースを展開することを考えず、キングへの攻撃を急いだ。 コンビネーションは、成功するときもあれば、突然全くの失敗と判明することもある。防御技術はお粗末で、深遠なプランなどはかけらも存在しな かった。
 これは、「イタリア派」として知られるようになったプレーヤーたちの才能と創造力に刺激された棋風である。イタリア派を代表する伝説のジョアッチーノ・ グレコ(1600-1634)の草稿は、初心者ばかりを相手にした短局らしきものであふれている。
 1. e4 e5 2. Nf3 Qf6? 3. Bc4 Qg6 4. O-O Qxe4? 5. Bxf7+! Ke7 6. Re1 Qf4 7. Rxe5+ Kxf7 8. d4 Qf6 9. Ng5+ Kg6 10. Qd3+ Kh5 11. g4+ 以下メイト。
 1. e4 e6 2. d4 Nf6?! 3. Bd3 Nc6 4. Nf3 Be7 5. h4 O-O? 6. e5 Nd5 7. Bxh7+! Kxh7 8. Ng5+ Bxg5 9. hxg5+ Kg6 10. Qh5+ Kf5 11. Qh7+ g6 12. Qh3+ Ke4 13. Qd3#.
 1. e4 e5 2. f4 f5?! 3. exf5 Qh4+ 4. g3 Qe7 5. Qh5+?!(5 fxe5! Qxe5+ 6 Qe2の方がいい) 5... Kd8 6. fxe5 Qxe5+ 7. Be2(7 Qe2! Qxf5 8 Bh3) 7... Nf6 8. Qf3 d5 9. g4? h5! 10. h3? hxg4 11. hxg4 Rxh1 12. Qxh1 Qg3+ 13. Kd1 Nxg4 14. Qxd5+ Bd7 15. Nf3 Nf2+ 16. Ke1 Nd3+ 17. Kd1 Qe1+ 18. Nxe1 Nf2#.

  a b c d e f g h  
 8   8 
 7   7 
 6   6 
 5   5 
 4   4 
 3   3 
 2   2 
 1   1 
  a b c d e f g h  

 この時代ならではと言うしかない! 白のクイーン側を見るだけでも…。
Garry Kasparov on My Great Predecessors Part 1
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posted by 水野優 at 12:18| Comment(0) | チェス(洋書評 その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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