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2006年01月23日

ルイ・ロペス:シュタイニッツ・ディフェンス

 サイトLiterary Chess Agoraによると、マルセル・デュシャンは手紙に「画家や映画作家であることにうんざり」や「いま興味のもてるのは、神のようにチェスを指せるようにな る薬だけだ」と書いていたそうである。芸術家のオリジナリティそのものに疑問を投げかけたアーティストのチェスに関しても調べてみようかな。
 ソコルスキーの序盤翻訳だが、HPに置く序盤レファレンスにするにはやはり大改造が必要だ。無味乾燥な手順の羅列よりできるだけ歴史的変遷や変化の狙い に触れたいので、そのための新しい資料も必要になるだろう。本書では、エクスチェンジとクローズのチゴリン以外の変化が全く扱われていないのだから(汗。


A. P. Sokolsky "The Modern Openings in Theory and Practice"
第9章 ルイ・ロペス 1 e4 e5 2 Nf3 Nc6 3 Bb5
III:シュタイニッツ・ディフェンス

    3...    Nf6
    4 0-0 d6

  a b c d e f g h  
 8   8 
 7   7 
 6   6 
 5   5 
 4   4 
 3   3 
 2   2 
 1   1 
  a b c d e f g h  
r1bqkb1r/ppp2ppp/2np1n2/1B2p3/4P3/5N2/PPPP1PPP/RNBQ1RK1 w kq - 0 5

 黒が複雑な変化を避けたいなら、このルイ・ロペスの中でも単純な変化を選ぶことができる。シュタイニッツ・ディフェンスでは、やや窮屈だが堅牢な陣形が 得られる。この手順のように、白がキング側へキャスリングしてから ...d6とするのが最善である。
 3...d6 4 d4! Bd7 5 Nc3 Nf6では、白が 6 Bxc6! Bxc6 7 Qd3からクイーン側キャスリングを準備する。実戦によると、この手順は黒の防御が難しい。
 4...Nxe4で始まるいわゆるリオデジャネイロ・ヴァリエーション(訳注:ベルリン・ディフェンス)も、黒にとって難しい。例えば、5 d4! Be7(5...exd4は良くない。6 Re1 d5 7 Qxd5! Qd7 8 Bxc6 Qxc6 9 c4; 5...Nd6 6 dxe5! Nxb5 7 a4も厳しい) 6 Qe2 Nd6 7 Bxc6 bxc6(7...dxc6 8 dxe5 Nf5は良くない。9 Rd1 Bd7 10 e6! fxe6 11 Ne5) 8 dxe5 Nb7 9 Nc3 0-0 10 Nd4 Bc5 11 Rd1 白が優勢(ケレス対ウンツィカー、ハンブルク、1956年)。

    5 d4   Bd7

 5...exd4には、白は 6 Nxd4の他にも 6 Qxd4 Bd7 7 Bxc6 Bxc6 8 Nc3 Be7 9 Bg5 0-0 10 Rfe1で空間的に優位に立つ。

    6 Nc3   Be7
    7 Re1

 7 Bxc6 Bxc6 8 Qd3もいい。8...exd4 9 Nxd4後、黒にセンターの放棄を強要する。ボレスラフスキー対ブロンシュタイン、マッチ、1950年は以下のように続いた。9...0-0 ここから白は 10 Nf5 Bd7 11 Nxe7+ Qxe7 12 Bg5 Bc6 13 Qd4で優勢になった。9...Bd7 10 Bg5 0-0 11 Rad1でも、白陣はのびのびしている。7 Re1は同じ目的の主変化である。

    7...   exd4

 黒はセンターでの交換を余儀なくされる。7...0-0では、タラッシュが発見したコンビネーションによって負けるからである。8 Bxc6 Bxc6 9 dxe5 dxe5 10 Qxd8 Raxd8(10...Rfxd8 11 Nxe5 Bxe4 12 Nxe4 Nxe4 13 Nd3 f5 14 f3 Bc5+ 15 Kf1! 白勝ち) 11 Nxe5 Bxe4 12 Nxe4 Nxe4 13 Nd3 f5 14 f3 Bc5+ 15 Nxc5(15 Kf1はだめ。15...Bb6 16 fxe4 fxe4+で黒がピースを取り返すから) 15...Nxc5 16 Bg5 Rd5 17 Be7 Re8 18 c4 白勝ち。

    8 Nxd4   0-0

  a b c d e f g h  
 8   8 
 7   7 
 6   6 
 5   5 
 4   4 
 3   3 
 2   2 
 1   1 
  a b c d e f g h  
r2q1rk1/pppbbppp/2np1n2/1B6/3NP3/2N5/PPP2PPP/R1BQR1K1 w - - 0 9

 この変化の典型的な局面である。白がセンターで優位で展開も勝っている。9 Bxc6 bxc6 10 Bg5等と続くだろう。ここで白には、e5でポーンを交換させて黒のポーン形を壊す狙いがある。


 この連載では紹介できないエクスチェンジ・ヴァリエーション(3 a6 4 Bxc6)はリンクだけ(汗↓
Ruy Lopez Exchange
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