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2005年12月26日

Edmonds&Eidinow『Bobby Fischer Goes To War』

 冬は寒い以外にも乾燥による静電気と肌のかゆみがいやだ。静電気はほとんど外出しないことで解決したが(靴下との摩擦で静電気がおきるほど豪華な敷物は ない)、かゆみは ローションや乳液でごまかしてきた。先日「メンタームEX」という尿素入りのクリームを買って使ったらよく効いた。お薦めする。


「ボビーと指すときは、勝ち負けは問題ではない。問題は生き残れるかどう かだ」−ボリス・スパスキー

 来年には訳が出ると聞いているDavid Edmonds, John Eidinowの"Bobby Fischer Goes to War"(342ページ、'05 年、ペレニアル)である。これは出版社と発売時期の違いでサブタイトルが様々だが、同じ本だと思う。フィッシャーの経歴を振り返る内容だからWarはソ連 との戦いを指している。最近の話題だとアメリカを指しているようにも思えるが(笑。

目次の訳:
ロシア文字のローマ字表記について
登場人物
用語集
1969年までのチェス世界チャンピオン
1 世紀のマッチ
2 ブルックリンの少年
3 夢の模倣者(?)
4 破壊の申し子
5 レニングラードから来たロシア人
6 命を持ったチェス
7 レイキャビクへのブルドーザー
8 楽園でのトラブル
9 大きな対決、小さな島
10 やり損なうボビー
11 今みじめなのは誰か?
12 怒りが支配する
13 血を見る楽屋裏
14 にらみ合い
15 愛と憎悪の関係
16 決まった一撃
17 中盤
18 チェスの感染力
19 苦難の結末へ
20 盤外手段と隠された手
21 対戦相手のセコンド
22 偉大なる者に安堵の時なし
付録
謝辞
文献選集
索引

表紙袖の冒頭訳:
 1972年夏、ソ連との冷戦状態のさなか、二人の男を中心としてアメリカ政府を揺るがす重大事件が巻き起こった。世界チェスチャンピオン、ソビエトのボ リス・スパスキーと、アメリカ人挑戦者ボビー・フィッシャーが、空前絶後の名高い対戦で顔を合わせたのだ。アイスランドのレイキャビクで行われた二人の対 決、 心理戦、最後通牒、政治的策略、手に汗握る接戦に、世界は2か月間に渡って振り回された。マルクス兄弟のドタバタ喜劇に匹敵するバカ騒ぎである。
 30年後、全米ベストセラー『ヴィトゲンシュタインのポーカー』の著者デイヴィッド・エドモンズとジョン・アイディナウは、孤独なアメリカ人スターとソ 連のチェスマシン−数十年クレムリンが保った世界選手権を他国へ献上したマシン−間の実質的な冷戦が終結した今、資料の再収集と物語の再吟味に取りかかっ た。未発表のソ連とアメリカ双方の記録を引用しながら、著者の二人は驚くべき伝説の全貌を再構成する。それは従来の想像よりはるかに辛辣で幾重ものヴェールに覆われていた。


 目次は象徴的なタイトルが多くて難しい。どこの出版社か知らないが、『白夜のチェス戦争』の再来を期待しているのだろうか。こんな本をまた出せるのだっ たら私が訳すのにと、いつもながら後の祭りだ。私より下手だったら許さんぞ!(笑。
Bobby Fischer Goes To War: How The Soviets Lost the Most Extraordinary Chess Match of all Time
0060510250 David Edmonds John Eidinow

Perennial 2005-03
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posted by 水野優 at 13:28| Comment(4) | チェス(洋書評 その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ページ、とても軽くなりました。
ヴィトゲンシュタインのは日本では『ポパーとウィトゲンシュタインとのあいだで交わされた世上名高い一〇分間の大激論の謎』ですね。著者は「エドモンズとエーディナウ」です。これも良くまとまってる本でした。
フィッシャー本に関しては、本屋さんの「絶対に出す」という言葉が伝わっていて、いまのところそれを信じて待ってるところです。
Posted by maro_chronicon at 2005年12月28日 00:24
 早く軽くすればよかった。エーディナウですか。ベストセラーだから訳が出ているか調べるべきでした。
 ヴィトゲンシュタインですら表記がまちまちとは。哲学の特殊講義で聴講したことがありますが、すっかり記憶にありません(汗。
 この訳出版に関して、最近のフィッシャーの動向は影響あったんでしょうか。単なるノスタルジーなのか。
Posted by 水野優 at 2005年12月28日 13:47
「ブログに始まってブログに終わった感じの年だった」って、私もよくわかります。私は仕事より気楽に、でも仕事以上に律儀にやってます。
フィッシャー本については、昨年の1月にはもう出てますから、成田騒動とは関係ないですね。この本は畏友まかせで、私はまだ中身をよく知らないのですが、レイキャビクまでが焦点なので、ユーゴも9.11も深くは扱ってないのでは。
Posted by maro_chronicon at 2005年12月29日 01:15
 フリーになってもほんとにやりたいことができないくらいだから、会社のときの仕事なんて一時も真摯にやったことないです。だから薄給だと文句を言ったこともありませんが。
 近年の事件が、翻訳コーディネーターが選ぶきっかけになったというぐらいでしょうね。私は訳本を待つことにします(汗。
Posted by 水野優 at 2005年12月29日 14:32
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